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幻影の旋律
燐ちゃんの憂鬱
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とはなく、盛大にため息を吐いたリンはアマリが消えた通路に視線を投げる。

 「こう言う小手先の駆け引きはリンの領分だろう? アマリも疑ってなかった……て言うかそもそもあの子にはそっち方面の警戒心は皆無なんだから問題ないさね」
 「バレるかバレないかじゃない。 行動が根本から問題なんだ。 俺だって一応道徳くらい……ああ、そうだ、やっぱり自首してこよう」
 「いやいや、待つさね! 大丈夫、あんたは悪くないんだから! な??」

 リンの弱気なメンタルを持ち直そうとしているリゼルの真意は果たしてどこにあるのだろうか?

 もしもリンが自首などしようものならリンの所業はもちろんだが、リゼルの悪行まで明るみになるのは言うまでもないだろう。 そしてそれはつまり、アマリによる報復を受ける未来が確定となるだろうし、よしんばそれで一命を取り留めたとしてもあの愛妻家のフォラスが何もしないわけがない。
 リゼルに関して言えば、そこからさらにクーネからの制裁が、リンに関して言えばヒヨリとティルネルからのお仕置きが待っているのだから、物理的に生きていられたとしても、精神的な死は免れない状況だ。

 「まあ、やっちまったもんは仕方ないさ。 仲良く共犯といこうじゃないか」
 「はぁ……」
 「…………」

 開き直ったリゼルと罪悪感に囚われるリン、そして傍観者に徹することで共犯者となったレイの沈黙が安全地帯に響く。

 3人が行ったことは至極単純だ。
 アマリの性格や性質はリゼルからリンに徹底的なレクチャーがなされ、その結果、触れようとする程度であれば即座に殺されることはないと結論が出された。 それも結局は確証があったわけではないが、フォラスの言葉を忠実に全うするアマリがそれを為すはずがないと言うわけだ。
 故にリンは多少の緊張をしたとは言えアマリの肩に手を伸ばせたのだ。 分があったもののリスクの大きな賭けは、けれどリンたちが勝利を収め、リンは殺されることなくアマリに吹き飛ばされ、そしてアマリはリンを逃さないために脚を突き出した。 そう。 全てはリンのお膳立て通りに、だ。

 「で、どうだったんだい?」

 もはやオブラートに包むことさえ放棄した申告の催促にリンはもう一度ため息を吐いて色々と諦めた。

 「……レースの白。 ついでにガーターベルト。 内股にホクロがある」
 「おお、さすがはリンだ?? アマリのスカートの内側は鉄壁だし、何より番犬のガードが固かったからな! いやー、アタイの目に狂いはなかった! よくやったよ、リン!」
 「すまん……2人とも、すまん……」

 嬉々とテンションを上げるリゼルとは対照的にリンの罪悪感は凄まじいことになっていた。

 いかに友人の頼みであろうとリンがこんな悪事……女子のスカートの中身を
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