暁 〜小説投稿サイト〜
【完結】戦艦榛名に憑依してしまった提督の話。
0152話『旗風の鎮守府散歩』
[1/3]

[8]前話 前書き [1] 最後 [2]次話



八月の半ばごろにこの鎮守府に配属されましたわたくし旗風でございます。
同時期に一緒に配属された天霧さんとはなにかと話をする機会がありますので嬉しいです。
今日はそろそろ秋も近くなってきましたのでそんなに暑くもなく気候もいいですので一人で鎮守府を色々と巡ってみようかと考えています。
それで朝早くに起きて朝食を摂ろうと部屋を出て行こうと思いましたら外から朝姉さんの声で、

『朝ー! 朝だよー! みんなー、起床しなさい!』

という元気な声が響いてきました。
それで思わずわたくしはクスリと笑みを浮かべてしまいました。
朝姉さんはこの鎮守府では駆逐艦寮の朝起こし当番のようなのですね。
ここに来て少し経ちましたからそれは分かります。
ただ……、

『朝風、うるさい!!』
『これじゃ朝版川内さんじゃン!』
『これはこれでいいものだな……眠気が覚めたよ』

と、朝姉さんへの苦情があちこちで聞こえてくるのはどうなのでしょうか……?
まぁ朝姉さんも気にしていないのか、『起きたわね。さ、みんなで支度をしましょう!』と己の性分を曲げずに進む姿はさすがだと言えますね。
それでわたくしも朝姉さんに倣ってせっせと袴に着替えて食事に向かおうと扉を開けました。
そこで松姉さんが隣の部屋から出てきましたので、

「松姉さん、おはようございます」
「うん。おはよう旗風。良い朝だな」
「はい」

それで松姉さんはいつも通りにかっこいい爽やかな笑みを浮かべています。
松姉さんはわたくしの中ではあこがれもありますのでついうっとりしてしまいそうです。

「しかし……朝風の姉貴はいつも元気だな」
「そうですね。わたくしが来る前からあんな感じだったのですか……?」
「ああ。僕が来た頃にはすでにあんな感じだったよ」
「そうなのですか」

それで松姉さんはため息を吐いていました。
いつも朝姉さんの事をからかっているようにお見受けしますけど照れ隠しのようで実は素なのが松姉さんらしいですよね。

「それじゃ気を取り直して朝食でも摂りにでもいくとしようか」
「はい、松姉さん」

それでわたくしと松姉さんは一緒に食堂へと向かいました。
最近はそろそろ冷たいものはお腹を壊しそうですので温かいものが食べたいところですね。
それでわたくしはいつも通りお味噌汁と鯖定食を頼みました。

「ふふふっ。旗風ちゃんはいつもお行儀が良くて嬉しいわ」
「ありがとう存じます、間宮さん」
「いえいえ。それじゃゆっくり食べて行ってね。まだ慣れない事が多いと思うからお姉さん達に遠慮なく頼るのよ」
「はい、わかりました」

間宮さんはやっぱり優しいですね。嬉しく存じます。
それで食事を持って席に着席するとそこに遅れて神姉さんと春姉さんが
[8]前話 前書き [1] 最後 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ