(現代語訳)竹取物語(口語訳)4
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まで来ると、爺さまが箱を受けとりかぐや姫に見せた。
「美しい皮でできたものですね。でも、これが本物の皮衣だとは限りませんわ」という感想だった。
爺さまは『まぁとにかく客間にでもあがってもらいましょう。見たこともない皮衣です。いちおう本物だと思って扱いましょう』と言って、門まで行って右大臣阿部を中へ招き入れた。
かぐや姫は爺さまに提案したそうな。
「火鼠の皮衣というものは、火にかけても焼けないと聞きます。もしこの箱に入っているものがそうでしたら、私は右大臣と結婚いたしましょう。おじいさんは『本物だと思って扱いましょう』と言いました。ならば焼いてみることも問題はないでしょう」
爺さまは『その通りだ。右大臣に許可をもらってくる』と彼に訊きにいきました。
右大臣阿部は『私は中国にもないと言われたものを、苦労して手に入れたのです。何の疑いも持っていません』と自信満々に答えた。
そして皮衣は火にかけられた。めらめらとよく燃えたそうな。
『やはり、偽物でしたか』爺さまがつぶやいた。右大臣阿部は顔を青くするばかりだった。かぐや姫は「あぁうれしいわ」と喜んだ。せいせいした気分で返事の和歌を詠みました。
<燃えてなくなってしまうと知っていたら、恋心も皮衣もそっとしておいたほうがよかったですね>
和歌を受けとり、右大臣阿部はしおしおと帰っていったそうな。
彼のこの行動は「あへなし」と言われることになった。
「あえない」つまり会う=結婚することができなかったことと、「あへ」と「阿部」をかけた言葉であるそうです。
<竜の首の珠>
大納言大伴の御行(だいなごんおおとものみゆき)は竜の首の珠を頼まれた人だ。
彼は屋敷じゅうの人間を集めてこう言ったそうな。
『竜の首には五色に輝く珠があると聞く。それを持ってきたものには、どんなほうびも与えてやろう』
家来たちはそれを聞いてざわざわ口々に言い合いいました。
『おっしゃる通りに探してみようと思いますが、竜の首にある珠なんて、どうやって探せばいいのでしょうか。とても難しいことですよ』
大納言はいらいらした。
『お前たちは私に仕えているのだろう。家来というものは、たとえ命を捨ててでも、主君の願いをかなえようとするものである。
竜は日本にいないわけではない。わが国でも海や山で目撃されたという話は聞く。決して中国やインドにのみ住んでいるものではないのだ。やれないことはないと思うが』
こう聞いて家来たちは『やってみましょう。たとえ難しいことですが、おっしゃる通りに出発いたします』と宣言
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