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異世界に転生したら、強くてニューゲームでした。(編集中)
お兄様
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《ギャオオオオオンッ!!》

《ガラガラ、ドォオオン!!》

何かの叫び声と、大きな物音で意識が戻った。スィエルの叫び声だ。後の地響きは…、何だろう。薄く目を開け、あたりを見る。やけに日光が眩しく感じた。もう、◯◯はいない。

倒れる僕の周りには、コンクリート片が散らばっている。立ち上がり、体に付いたコンクリート片と、砂を払った。顔に張り付いた砂利も拭う。

「………え、?」

そこで初めて、僕はエトワールの惨状を目にした。半径1kmは、軽く街並みがなくなっている。多くの人々で賑わっていた首都の面影は、すっかり消えてしまった。あるのは、破壊された建物の残骸。コンクリートの中に散らばる、お店の商品や日常品だけが、ここに栄えていた街があったんだと伝えている。

(ひどい状態だ……何があったんだ?)

半ば呆けた状態で、ふらっと一歩踏み出した。拍子に、落ちていたぬいぐるみを踏む。首に青いスカーフを巻いた、可愛いクマのぬいぐるみだ。めくれたスカーフの裏に、拙い字で【サラ】とあった。避難するときに落としてしまったのだろうか。腕の部分が破れ、わたが飛び出してしまっている。

訳が分からない。大きな音と衝撃がして、気絶して、復活したら街が大惨事とか。お父様とお兄様がこんなに街を破壊するはずがない。そんなことしたら、王家の信頼も何もあったもんじゃない。だとしたら、スィエルなんだろうけど…。じゃあなんで、スィエルも倒れてるんだ…?


ーー破壊された街並みの中心地に、スィエルは倒れていた。美しく輝いていた赤い羽根は、今や鮮血と砂がベッタリ付き、汚れている。腹に大きな切り傷があり、血が流れていた。コンクリートやレンガが、山になって周りにあった。

慌てて駆け寄り、状態を確認した。今回はこんな風に暴れていたが、本来は崇められているような魔獣なのだ。死なせて良いはずがない。お父様とお兄様のことが気にかかったが、放っておく訳にもいかなかった。

全体の傷を見て脈を図る。首あたりに手を押し付けるが、反応はない。まだ暖かかったが、死んでしまっている。

「………遅かったか。ごめんね、助けてあげられなくて」

光魔法を使おうかと思ったが、もう死んでしまった命は、回復しない。見開いたままだったその大きな瞳を、僕は苦労して閉じさせた。生き生きと輝き、この世界を映していたはずのその目は、光を失くして、ビー玉のようだ。

「う、うう……」

スィエルから離れ、2人を探そうと回れ右した僕の耳に、誰かの唸り声が聞こえた。ひどく弱い声だけど、間違いない。お父様だ。

振り返り、声の聞こえた瓦礫の山に走り寄った。途中、足を取られ、こけそうになったが堪える。風魔法を使って瓦礫を退けると、足が挟まれていたのだろう、血を流すお父様が倒れていた。服
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