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Re:童話姫たちの殺し合いゲーム
お菓子な双子の物語~グレーテルside(終)
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ナイフを振り回します。





『アハハハッ♪』





でも当たらない 魔女の体に刺さりません。





いくら振り回しても当たりません 刺さりません 斬れません。





嗚呼 兄さま ヘンゼル兄さま― 





どうしたらあの赤い魔女を殺せるのでしょう 教えてください兄さま―





(「だめだよ、グレーテル」)




「……兄さま?」



今…兄さまの声が…これは幻聴? いいえ違います。あれは確かに兄さまの声だった。




(「こっちだよ、グレーテル」)






「あ……待って…兄さま



 どこへ行かれるの兄さま…」




『ドコへ行くのですか? もっとボクとアソボウ?』






兄さまの声が遠のく、駄目、いけない、行かないでヘンゼル兄さま。私を独りにしないでください、ヘンゼル兄さま……





腕を何かに引っ掛けた。嗚呼、なんて邪魔な腕なんでしょう、引きちぎってしましょう。





ヘンゼル兄さまがいれば腕の一本や二本なんていらない、兄さまがさえいてくれば後はどうでもいい…のです。






(「さぁここだよ、グレーテル」)





「兄さま!」





どしてか兄さまがパン焼きがまの中へ入ってしまった。パン焼きかまの中は灼熱地獄、兄さまが焼け焦げてしまう。





助け出さないと、と私もパン焼きがまの中へ頭を突っ込みました。





ドンッと背を押され、バタンッとパン焼きがまの戸が閉まる音がしました。




ドンドンッといくら戸を叩いても開きそうもありません。





「兄さま…ヘンゼル兄さまは…どこ?」





(「………」)




「嗚呼― よかった、そこにいらしたんですね」





燃える炎の中見つけました。兄さまを入れていた鳥籠は熱で歪に歪み溶けていましたが、中身は無事でした。




「嗚呼― よかった、ヘンゼル兄さまが焼け焦げていなくて」





愛しい兄さまの"生首”抱きしめた―






愛しい兄さま"死”ぬ時も一緒ですよ―






え……ヘンゼル兄さまの生首―?





腕の中に大事に大事に抱きしめた愛しいモノを見下ろしました







そこには愛しいヘンゼル兄さまではなく、炎で皮膚が焼け溶け、骨も半ば灰と化した人骨でした






これは…誰? 兄さまはどこ? 私の愛しいヘンゼル兄さ
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