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町鼠ジョニーのお話
第四章
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「そうしよう」
「次はだね」
「そちらだよ」
 笑顔でお話しました。
「そちらでいいよね」
「街のお池とはまた違うね」
「全然違うよ」
 そこはしっかりと答えたジョニーでした。
「ここが気に入ったならきっと気に入るよ」
「それじゃあね」
「うん、次はね」
「湖だよ」
「それじゃあね」 
 こうお話してでした、二匹で。
 湖の方に行きました、湖はとても広くて対岸が遥か彼方に見えます。水面は青く澄んでいて周りには緑の水草があります。
 青くきらきらと光っていてそれでいてとても静かな湖を見てです、ヘンリーは感嘆の言葉を出しました・
「凄いね」
「この湖がだね」
「うん、こんな場所はじめて見たよ」
「街にはお池や川があるけれどね」
「溝も下水道もね」
「けれど確かにこうした場所はないね」
「そうだよね、こんなとても広くて青くて静かな場所はね」
 とてもというのです。
「ないよね」
「だからだね」
「見られてね」 
 心から言うのでした。
「本当に嬉しいよ」
「うん、僕もね」
「ジョニーは前に観たよね」
「前はいい感情がなかったんだ」
 ジョニーもその湖を観ています、そのうえで隣にいるヘンリーに言いました。
「だからすぐに逃げる様に帰ったよ」
「街にだね」
「そうしたよ、けれどね」
「今はだね」
「ずっと嫌いだったんだ」 
「この村がだね」
「二度と来たくないって思っていたよ」 
 そこまでだったというのです。
「本当にね、けれどね」
「今はだね」
「来てよかったと思ってるよ。前に来た時は嫌いになったけれど」
「今はだね」
「うん、好きになったよ」 
 そうなったというのです。
「今はね」
「そうなったんだね」
「ふと思ったのが今も不思議だよ」
 またここに来ようとです。
「その時も嫌いだったのにね」
「それは神様が知らせてくれたんじゃないかな」
「神様が?」
「だって嫌いになるより好きになる方がいいよね」
「何に対してもね」
「だからじゃないかな」
「神様がそう導いてくれたのかな」 
 考えつつです、ジョニーは言うのでした。
「僕に嫌いなものを減らして好きなものを増やそうって」
「僕はそう思ったけれど」
「じゃあそうなのかな」
「だとすれば嬉しいね」
「そうだよね、それに若しかしたら」
 ヘンリーは湖を観ながらです、ジョニーにこうも言いました。
「君と一緒にいる時に神様の思し召しがあったのなら」
「思いついたのは一緒に食べている時だったしね」
「御飯をね」
「だったら」
「僕もこの村に来て」
 ジョニーと一緒にです。
「そうしてこの村の自然の素晴らしさを知る様になる」
「そうなるべきだって思われてかな」
「神様は君に思いつ
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