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偵察-リコンナイセンス-part1/囚われた者たち
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ラ・ロシェールの街そのものは、闇の巨人との戦い等で壊れた個所も多かったが、それでも街の人たちは必死になって復興作業に勤しんでいた。
偵察任務が決まって、サイトたちはシュウと、彼の監視役としてムサシも引き連れてラ・ロシェールへ再び訪れることとなった。すでにトリステイン軍の兵たちが集められ、軍用船もわずかだが桟橋の方に並べられ、次の作戦のために荷物の積み込みを行っていた。
今回偵察に使われるのは、かつてタルブ戦役の際にレキシントン号(現在名称及び初期名称ロイヤル・ゾウリン号)と共に投入された小型艦一隻。他には炎の空賊団が乗っているアバンギャルド号、その上にはサイトが乗る予定のウルトラホーク3号。
今回の任務のメンバーについてだが、サイト、ルイズ、ハルナ、意外のUFZメンバーは選抜されていない。学院を守るように、あの会談の後でアンリエッタから命じられたのだ。サイトだけ行かせるのは心もとないとギーシュは命令を受けてごちたものの、内心ではちょこっとだけ危険な場所に行かなくて安心していたところもあるそうだが。
ちなみにヤマワラワも、ムサシからテファたちを守るように言われ、普段は魔法学院付近の森の中から彼らを見守ることに納得してくれた。
炎の空賊たちは意外にもアンリエッタから今回の作戦に参加を申し込まれた時は積極的に参加を引き受けた。彼らとしては、自分たちが嫌っているレコンキスタを好き放題おちょくりたいだけかもしれないが、それなら寧ろよい囮役を担ってくれるだろう。
出発の準備が終わり、偵察に使う偵察用小型艦はサイトたちや、艦を管理する偵察部隊を乗せて出発した。




「こうしてアルビオン行の空に向かうの二度目だな」
「そうね」
ウルトラホークを甲板に乗せたアバンギャルド号から、空を見渡すサイトとルイズ。アバンギャルド号は、改めてみると本当に巨大だった。ホーク3号でも大きく感じるのに、それを余裕で乗せている。
「でも、改めてこの空を見てると、綺麗な空だな」
「本当。空気もすごい綺麗で、吸い込むだけで気持ちいい…修学旅行で、飛行機の窓から外の景色を見たことがあったけど、こうして風を浴びながら飛べるなんて夢みたい」
サイトの言葉に、隣にいるハルナも同意した。彼女の長い黒髪が風に靡いて波立っていた。
「だな。空賊の人たちが縄張りにしたくなるのもわかるかも」
「ならず者が独占していい場所なんてないんだけど?前なんて、変な怪人にだって襲われたし…」
この空に、空賊団以外で縄張りを張っていたベル星人のことを思いだし、ルイズが少し呆れ気味に言う。彼女はちらっと、甲板の近くに視線を向ける。そこでは、作戦前だというのに鼻歌を歌ったり仲間同士で博打をしていたり、悪い場合は酒を飲み比べていたりと、かなり緊張感のない様子の空賊たちの姿がちらほら見受けられた。
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