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白は濁る
プロローグ
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[1] 最後



一人の男の願いは歪な形で叶えられることになる、嫉妬、羨望、希望、絶望、愛憎あるいは憎悪か



男は満足していた、無意味だと思っていた私の人生にも意味はあったのだと

残滓となって消える男の表情はとても綺麗なものであった






男は世界を救う、何度も何度も何度も何度も何度も、同じ時間、同じ場所、始まりはいつも同じで

そしていつかと同じあの場所で男は死ぬ、繰り返すたびに最適化され、人間としての機能を男から奪ってゆく



何百、何千何万

幾度目かのそのとき歯車が狂い始める、救えたはずの人々が一人一人また一人、彼の手の上からこぼれてゆく

人の一生を超える記憶は、男の思考もまた狂わせる




そう、今なおどこかで救いを求めている人々、そして知りながらも救えない人々、どちらも罪でしかないのだと

いつしか男は思う、あのころの私では無理であったが今の私には出来るのではないかと、すべてのものに手が届くと




億に届くかというそのとき、

あの時とは似ても似つかない表情を男はその顔に浮かべるも、その佇まいはいつかの情景を髣髴とさせる




最初は三年かかった、そして一年をきり今では一ヶ月をきる、そして次のために救いを求める誰かのためにありとあらゆる場所へかけつけた

いつかどこかで見た光景、男はどこか懐かしさを覚えながらも眠りゆく体に身を委ねる












予感はあった、もう次はないだろうという



一人の男が私の前に現れ問う、貴様は何者だと。



私はそれに答える、そうだな私は、正...の...いや、そうだな私はきっと悪なのだろう



彼を最初に見たときの胸のわだかまり、答えた後再度視界に納めたとき、なぜだかしっくりするとそう思わずにはいられなかった



彼はさらに問うなぜ悪なのかと



そうだな、では貴様は何者だ



まあいいと、しぶしぶながら彼は答える、そうだな私は正義の体現者といったところか



なぜだか笑いがこみ上げてくる感覚と、極度の脱力感、私はなんとか踏みとどまる事が出来た。

そう私はまだ倒れるわけにはいかない



私には最後のー仕事が残っている、この言葉を彼に向けるまでは






私は悪の体現者であると















彼は問う、最後に何か聞きたいことはあるかねと



どこまでお人よしなのか、私は鼻で笑う

貴様が来たということはそういうことなのだろう、そう聞くも彼は答えない



私はどこか懐かしさを覚えながらも眠りゆく体に身を委
[1] 最後


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