暁 〜小説投稿サイト〜
ランス 〜another story〜
第3章 リーザス陥落
第98話 魔人ノス vs 黒髪のカラー ハンティ
[3/9]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


「の、ノスッ……!? 貴様何を…… いや、今まで何をしていた!!」
「何と言われても…… 普段とは変わらぬが」
「ええい……まぁいい! 魔人どもの力で、皆殺しにしてこい!!」

 パットンは現状が全く見えていない、と言うのだろうか。唯一の策を潰された現状も視えていない。見えているのは、傍に佇み 既に臨戦態勢を整えていたハンティのみだった。

「断る」

 低く重いノスの声がこの場に響く。
 決して大きい声ではない。それに喧騒が響く城内だと言うのに…… その声ははっきりと聴きとれた。

「っ、な、なんだと………!?」

 頭巾で覆われた顔で表情は殆ど見えないのだが、ノスの表情は判る。うすら笑みを浮かべているであろう事が。

「時は来た。……そろそろ貴様らは用済みだ」
「…………!」
「少々曲折は経たが……儂の計画通り、リーザスの後継者がカオスを解き放つ。貴様らには最早退場して貰っていい。……計画に支障はないが うろちょろされても目障りだ」

 無情にもそう言い放つノス。今までの声と大して変わっていないが、その内容と行動、そして携えた雰囲気は間違いなく物語っていた。パットンにも判った。魔人は裏切るのだと言う事を。

「なんだと、貴様…… 貴様、裏切るのか!?」
「………くくっ」

 ここで初めて明確にノスは笑みを浮かべていた。その口許の髭が侮蔑に揺れる。

「お、おのれ……!」
「王女は渡せん。……それにな。連中を妨害されても最早困るのだ。無能な裸の王よ」

 ぞわりと、さっきがにじみ出る。侮蔑には耐えがたい屈辱だったが、それでも魔人が放つ殺気。ただの一言でも反論するのに時間が掛かってしまった。

「……となればだ。邪魔は貴様らだな。……パットンよ」

 明確な殺意。強大な殺意がパットンに向けて放たれたその瞬間に、硬直していたパットンの中の時が動き出した。
 死にたくないと言う生存欲が時を動かしたのだ。

「は、ハンティ! ハンティ!! こいつを片付けろ!!」

 唯一にして、パットンの最大の戦力。そのカードを今切った。

 そして、今はこんな男でも……、身内の自分から見ても最悪な皇子だったとしても、それでも守ると誓った。今際の言葉を 確かに訊き、受け取った。親友との約束を守る為に ハンティは ノスと殆ど同時に動きだした。

「ったく、言わんこっちゃない……? α、β、γ、δ!」

 パットンを庇うように進み出たハンティが、叫ぶと同時に魔力を放射する。
 すると、巧妙に隠されていた四隅の鉄人形が立ち上がった。

「ほほう……。これは」
「はぁぁっ!!」

 見た事の無い術に 暫し関心を覚えたノスであるが、直ぐにその表情は変わる。
 ハンティの持ち得る強
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ