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Dragon Quest外伝 〜虹の彼方へ〜
Lv61 魔王アシュレイア( i )
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 ミュトラの聖堂に入った俺達は、以前来た時と同様、行き止まりの空間へと足を踏み入れた。するとそこで、驚く事が起きていたのである。なぜなら、紋章が描かれている壁の真ん中部分が上がっていたからだ。
 これが意味するところは1つであった。浄界の門は既に開かれているという事である。恐らく、わざと開けっ放しにしたのだろう。
 誘っているのは明らかな為、俺達は少し悩んだが、全員が覚悟を決め、その向こうへと足を踏み入れた。 
 浄界の門を潜った先は長い通路となっていた。
 その通路を進んで行くと、途中、二手に分岐する箇所があり、そこで俺達は、ヴァロムさんとディオンさん、それから数名の魔導騎士達と別れる事となった。
 ここからは、ヴァロムさんが自分の役目を遂行しなければならないからである。
 俺はそこで、カーンの鍵をヴァロムさんに手渡した。これはラーさんの指示によるものだ。
 そして、互いの成功を祈りながら、俺達は別の道を進んだのである。
 ちなみにだが、アヴェル王子やウォーレンさん、そしてレイスさんにシェーラさん、それとシャールとルッシラさんは、俺と同じグループである。
 まぁそれはさておき、そんな面子で俺達は聖堂内を進むわけだが、中は意外にも静かであった。
 魔物と遭遇するなんて事もない。しかし、得体の知れない邪悪な気配だけは、ヒシヒシと感じられた。
(……なんだろう、この威圧的であり、息苦しいほどの空気は……。なぜか知らないが……俺達が進むこの先は、別の世界のように感じる。どうやら、ラーのオッサンが言っていた通りの事態が起きているのかもしれない。もしくは……これからそれが起こるのかもしれない。……嫌な予感がする。はぁ……なんとか生きて帰れますように)
 そんな事を考えつつ、俺は皆と共に、聖堂内の通路を進み続ける。
 通路の壁や床は、イデア神殿のような石造りで、5mくらいありそうな天井には、古代の魔法照明器具と思われる光る石みたいなのが確認できた。その為、松明やレミーラなどを使わなくても、視界は良好だ。
(イデア神殿の時もそうだったが、あの光る丸い石は一体何なんだろう……ン?)
 と、そこで、前方に入口のようなモノが見えてきたのである。
 距離にして30m。扉はないが、両脇に丸い柱みたいなのがあるせいか、どことなく、門みたいな感じであった。
(……邪悪な気配は、あの向こうから感じる。いよいよかもしれない……)
 先頭のアヴェル王子は、それを見て立ち止まった。
 恐らく、雰囲気の違う入口だったからだろう。
 他の者達も、王子に続き、足を止める。 
 そこで、アヴェル王子は俺に視線を向けた。
「コータローさん……あの場所……少し雰囲気が違います。どう思いますか?」
「確かに、雰囲気は違いますね。それに……
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