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Dragon Quest外伝 〜虹の彼方へ〜
Lv55 怒涛の羊たちの沈黙
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けた。
「ヴァロム様、お願いします。なぜあのような事を言われたのか、教えてほしいのです……」
「……答える必要はないの。すまんが、お引き取り願おうか」
「ヴァロム様……どうして……」
 女性は今にも泣き出しそうな声であった。
(なんか色々と事情がありそうだけど、ヴァロムさんはこれ以上何も言わないだろう……。残念だけど、諦めてもらうしかないか……。でも……どこかで聞いた事がある声なんだよな……どこだったっけ? まぁいいや、確認してみるか……)
 つーわけで、俺は上半身を起こし、女性へと振り返った。
 だがその直後、俺と女性は互いを指さして、驚きあったのである。

「あ、貴方は、あの時のッ!?」
「ああッ!?」

 なんと女性は、巡礼地ピュレナの沐浴の泉で出会った、あのフィオナ王女だったからだ。
 フィオナ王女は純白のドレスに赤いショールのようなモノを肩にかけるという姿をしていた。
 赤く長い髪を後ろに流し、その上に金のカチューシャが載っている。首や手には、光り輝く金のブレスレットやネックレスを身に着けており、高貴な佇まいをしていた。
 一糸まとわぬ姿しか見た事ないので、ある意味新鮮な姿である。
 ちなみにだが、王女の両脇には女性の騎士と中年の神官が佇んでいた。
 鉄格子の前にいるのはこの3人だけだ。
 また、神官の服は緑色であった。恐らく、高位の神官だろう。
「貴方は……ピュレナで私を救ってくれた方ですね。まさか、このような場所で、貴方とお会いする事になるとは……。その節は、本当に、ありがとうございました。あの後、無事、オヴェリウスに帰ってくることができました。これも貴方のお陰でございます」
 すると、傍に控える女性の近衛騎士が口を開いた。
「フィオナ様、この御仁が、あの魔物を倒したのでございますか?」
「ええ、ルッシラ。この方です」
「なんと……」
 近衛騎士はマジマジと俺を見た。
 なんとなく、品定めをしているかのような目であったのは言うまでもない。
 と、ここで、神官が話に入ってきた。
「ピュレナで魔物? ……どういう事ですかな」
 ルッシラという近衛騎士が答えた。
「実はこの間、フィオナ様はピュレナで神託を受けたのですが、その後、魔物に襲われたのです」
「ほう……魔物ですか。そして……この者がそれを倒したと」
 神官はそこで俺を見た。
 フィオナ王女は頷く。
「ええ。それは恐ろしい姿をした魔物でした。この方が来なければどうなっていた事か……」
「なるほど。それは命拾いをされましたな。しかし……この男は異端者。それを、ゆめゆめお忘れなきよう……」
「ですが、救ってくださったのは事実です。感謝する事もいけないのですか?」
「私はフィオナ様の為に申しておるのです。いくら沐浴の泉で助けられ
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