暁 〜小説投稿サイト〜
Dragon Quest外伝 〜虹の彼方へ〜
Lv47 魔王クラスの魔物
[1/13]

[8]前話 [1] 最後 [2]次話
   [T]


【我が名はヴィゴール。アヴェラス公の片腕たる我が力を見せてやろうぞ】
 ヴィゴールは馬鹿デカい身体を震わせ、天に向かい、大きな咆哮を上げた。
【グォォォォォォォォン! グォォォォォォォン!】
 野鳥の飛び立つバタバタとした羽音が、至る所から聞こえてくる。
 サイクロプスやトロルよりも大きな身体であるヴィゴールの咆哮は、それはもう凄まじい迫力であった。
 恐らく、今の咆哮で、縮こまった者もいるに違いない。
【者共! 姿を解け! この愚かな蛆虫共に地獄を見せてやれッ】
 するとその直後、冒険者達の中に黒い霧を発生させる集団が現れたのである。
 数にして20名程であった。
(他の魔物達も動きだしたな……。しかし、これだけの魔物が冒険者達の中に紛れていたとは……)
 程なくして黒い霧は晴れる。
 そこから姿を現したのは、ベレスにレッサーデーモンにホークマン、そしてゴールドオークにハンババといった魔物達であった。
 トロルやサイクロプス程ではないが、それに次ぐ強さを持った魔物達である。
 冒険者達から大きな叫び声が上がる。
「なッ!? 俺達の中にも魔物がいたのか、クソッ!」
「お前達まで魔物だったのか! おのれ!」
「嘘でしょ!? なんで貴方達まで!」
 この反応は無理もない。驚愕の事実というやつだし。
 と、そこで、ヴィゴールがホークマンに指示を出した。
【その方、ゼーレ洞窟に行き、同胞達に伝えよ! 捕獲は中止だとなッ。ここへ来て、共に、この蛆虫共を殲滅せよと伝えるのだッ】
【ハッ、ヴィゴール様ッ】
 ホークマンはヴィゴールに一礼すると、空高く舞い上がった。
 そして、ゼーレ洞窟の方角へと飛んで行ったのである。
 俺はそこでウォーレンさんに指示をした。
「ウォーレンさんッ、向こうに合図を送ってください。例の水際作戦を実行しますッ!」
「お、おう、わかった」
 ウォーレンさんは宮廷魔導師の1人に告げる。
狼煙(のろし)を上げてくれッ」
「ハッ!」
 宮廷魔導師の1人が筒状の物を地面におき、下から伸びた導火線みたいなモノに火をつける。
 するとその直後、【ドォォン】という大きな音が響き渡ると共に、筒から何かが打ちあがり、上空で花火の如く炸裂したのであった。
(この林からゼーレ洞窟まで、凡そ1Km……。それ程離れてないから、恐らく、これで気付いてくれる筈だ。後は……ヴィゴールと他の魔物を早目に倒すのみ。どんな力を持っているのか未知数の部分はあるが、幾ら強大な力を持つ魔物といえど、絶対という言葉はない……)
 俺はそこで、アヴェル王子とウォーレンさんに視線を向けた。
「では打ち合わせ通り、行きましょう」
 2人は頷く。
 まずウォーレンさんが宮廷魔導師に指示を出した。
「魔導
[8]前話 [1] 最後 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ