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Dragon Quest外伝 〜虹の彼方へ〜
Lv19 変化の杖
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ないといけないのだ。
 とはいえ、別に無理してやるものではない。こんな状況だと、寧ろ、やらない方がいいくらいだろう。
 だが昨日のような事があると、やはり不安なのである。
 しかも魔生の法は、無詠唱で複数の魔法を同時行使できるというチートっぷりだ。修得すれば、物凄いアドバンテージになるのは間違いない。
 その為、いつやるのかと言われたら、「今でしょ」という事になってしまうのである。
 まぁそんなわけで、俺は早速、その準備に取り掛かったのであった。

 賢者のローブに着替え、武具の類を装備した俺は、その上からジェダイ風のローブを纏って宿屋を後にした。目的地は、昨日の墓地がある丘である。
 宿屋の裏手の道を5分ほど歩いたところで、こんもりと盛り上がる緑の大地が見えてきた。ここがその丘だ。
 ちなみに、丘の天辺は林になっており、その中に昨日の墓地がある。
 だが、今は墓地に用はない。俺が向かっているのは、その手前にある見晴らしのよい開けた場所であった。
 理由は勿論、そこが修行をするのに適していたからだ。

 それから程なくして丘にやって来た俺は、墓地の手前にある見晴らしの良い場所で立ち止まった。
 そして、周囲に人がいないかを確認し、俺は魔法陣が描かれたシートをフォカールで取り出したのである。
 これはヴァロムさんから貰ったもので、魔生門を開く修行で使う『現身(うつしみ)の門』と呼ばれる魔法陣である。
 ちなみに大きさは、縦横2mくらいある正方形のシートで、丈夫な生地で作られた分厚い絨毯のような代物であった。
 で、俺は今から何をするのかというとだが……このシートに描かれた現身の門の中心で、禅を組み、瞑想をするのである。修行内容はただそれだけであった。が、しかし、ただ瞑想すればよいというモノではない。この現身の門は、あくまで入口であるという事だ。
 そう……俺はこの現身の門から、自身の中にあるという、魔生門を見つける旅に出なければならないのである。言うなれば、精神世界の旅といった感じだろうか。
 要するに、この魔生門というやつは教えてもらって開ける門ではなく、俺自身が自分の中にある門を探し、そして開かねばならないのだ。
 その為、これから行う修行は、雲を掴むような漠然とした感じのモノなのであった。
 だが、この修行をするにあたり、ヴァロムさんは以前こんな事を言っていたのである。
『――コータローよ。魔生門を見つけるには、普段魔法を使うような感覚だと、まず無理じゃ。じゃが、かといって儂にはお主の魔生門を見つけることは出来ぬ。これはお主自身が見つけねばならぬモノじゃからの。とはいえ、道標となるものがなければ、門を見つけるのは難しかろう。そこでじゃ、お主に1つ助言をしてやろう。修行をする際は……風の声や木々の声に水の声、そし
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