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Dragon Quest外伝 〜虹の彼方へ〜
Lv17 フィンドの町
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話している途中だが、俺は構わずに言った。
「レイスさん、話は後です」
「え?」
 レイスさんは顔を上げる。
 俺は空を指さした。
「日も傾いてきました。馬に食料と水を与え次第、すぐにこの森を抜けましょう。話は、その先にあるフィンドで訊かせてもらいます」
「……わかった。君の言うとおりにしよう」
「では馬の世話は、レイスさん達にお任せしますね」
 レイスさんは静かに頷いた。
 そして、俺はアーシャさんと共に、馬車の方へと移動を始めたのである。

 馬車の前に来ると、気まずそうな表情で俯き加減になったロランさんの姿があった。
 その隣には奥さんや娘さんがおり、ロランさんと同様、少し俯き加減であった。
 この様子を見る限り、ロランさん達も罪悪感は感じているのだろう。悪い人達ではないのかもしれない。とはいえ、あまりそういう先入観を持つのも良くないが……。
 ちなみに奥さんと娘さんは、ロランさんと違い細身の体型で、服装は2人共、旅人の服を着るという出で立ちであった。
 奥さんの方はロランさんと同じくらいの年齢で、ごく普通のおばさんという感じだ。
 それから娘さんだが、俺が見た感じだとアーシャさんくらいの年齢のように見えた。
 また、赤い髪をポニーテールにしている所為か、ドラクエVの説明書に描かれていた女商人みたいな感じの娘さんであった。中々に可愛い子である。
 まぁそれはさておき、俺はロランさんに確認したい事があったので、それを訊ねる事にした。
「ロランさん……貴方が俺達を騙した事については、もうとやかくは言いません。家族を人質をとられていた事を考えれば、致し方ない部分もありますしね。ですが、1つ訊きたい事があるんです」
「は、はい、なんでしょうか?」
「貴方はあの魔物達と、一体どこで接触したのですか? それをお聞かせ願いたい」
 するとロランさんは肩を落とし、元気なく口を開いた。
「それなんですが……実は、マルディラントでなんです」
「え、マルディラントで!?」
「マルディラントですって!?」
 俺は隣にいるアーシャさんと顔を見合わせた。
 アーシャさんも驚きを隠せないのか、目を大きくしていた。
「一体、どういう事なんです。詳しく話してください」
「奴等と会ったのは、昨日、ルイーダの酒場で旅の護衛を依頼していた時でした。近くのカウンター席にいたあのラミリアンの男が、『私達も早朝にフィンドへ向かうんだが、ついでですし、一緒に行きませんか? お金はいいですから』と私に言ってきたのです。それで私は願ってもない事だと思い、すぐに了承しました。そして、その方達に同行させてもらう事になったのです。冒険者達は大人数でしたので、私はすっかり安心してました。それで、途中まではなんとも無かったのですが……この森の中に入ってから冒
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