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Dragon Quest外伝 〜虹の彼方へ〜
第二章  御子の国イシュマリア
Lv13 新たな潮流
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 太陽が徐々に姿を現し始める早朝。
 俺はベルナ峡谷のとある場所へとやって来ていた。
 そこは周囲を高い岩の壁に囲まれた所で、やや窮屈な感じがする場所であった。が、その所為か、風が吹いたりするような事もなく、静かで落ち着いた雰囲気がする場所でもあった。
 広さを何かに例えるならば、サッカー場のペナルティエリアくらいのスペースだろうか。
 とりあえず、そんな感じの広さの所である。
 で……俺はここで何をしているのかと言うと……。
 実は今から、魔物と戦闘を始めようとしているところなのである。

 俺の目の前には、カシャカシャと金属の触れ合う音を発している3つの物体がいる。
 いや、訂正……3体の魔物がいる。
 薄汚れた青い鎧の魔物……そう、ドラクエでは定番のモンスターである『彷徨う鎧』がいるのだ。
 こいつ等は、この広大なベルナ峡谷を宛てもなく、ただただ彷徨い続けており、少し哀れな感じのする魔物であった。
 ちなみにだが、こいつ等と出遭うのはこれが最初ではない。
 もうかれこれ数十回は遭遇している。そして、その度に、俺は奴等と戦闘を繰り返しているのであった。
 最初の頃は俺も委縮してしまったが、今ではもう慣れたものである。 
 だがとはいうものの、人間を見つけると問答無用で襲い掛かってくるので、油断ならない魔物には変わりがないのだ。

 俺は注意を払いながら、3体の彷徨う鎧に目を凝らす。
 薄汚れた青い鎧の隙間からは暗闇以外何も見えない。勿論、声を発する事もない。
 聞えてくるのは、鎧が動く度に鳴るガシャガシャという無機質な金属音だけであった。
 どういう原理で動作しているのか分からないが、ヴァロムさんの話によると、死にきれない彷徨う魂がこれらの鎧に宿り、そして動かしているというのが、ここでの一般的な見解だそうだ。
 真偽のほどはともかく、その説が一番しっくりときたので、俺もとりあえず、そう考える事にしたのである。
 と、まぁそんな事はさておき、今はこいつ等との戦闘だ。
 幾ら慣れたとはいえ、油断は禁物なのは言うまでもない。

 俺は奴等を注視しながら、ライトセーバーもとい、魔光の剣に魔力を籠め、青白い光の刃を出現させる。それから素早くピオリムとスカラを唱えた。その直後、緑色と青色に輝く薄い霧状になったモノが2つ、俺の身体に纏わりついてきた。これらの現象は、素早さと守備力の強化が施されたという証である。
 これでとりあえず、戦闘の準備は整った。
 俺は魔光の剣を中段に構えると、3体の彷徨う鎧の出方を窺った。
 向こうも俺が戦闘態勢に入ったのを感じ取ったのか、少し様子を見ているようであった。
 俺はそこで、一番近くて斬りやすい位置にいる、左側の彷徨う鎧に目を向けた。
(さて……ま
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