第二幕その九
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都から離れた村に着きました、そこは。
緑の、エメラルドの都の村でした。お家も柵も何もかもが緑です。
その緑の村に入るとです、牧場のところででした。
一人の小さな男の子、緑の上着とズボンそれに靴の子が泣いていました。神宝はその子を見て言いました。
「あの子どうしたのかな」
「ううん、何かあったのは間違いないけれど」
「ちょっとわからないね」
「まずはあの子に聞いて」
「それから確かめないとね」
四人が神宝に応えました。
「まずはね」
「それからになるね」
「一体どうしたのか」
「そのことを聞いてから」
こうお話してでした、そのうえで。
五人は男の子にどうしたのか尋ねました、ですが。
男の子は泣くだけでお話が出来ません、するとです。
かかしはすぐに閃いてです、こう言いました。
「ここはジャックに任せよう」
「僕に?」
「そう、泣いている子には何がいいお薬かな」
「それは笑いだね」
「そう、笑いだからね」
だからというのです。
「ここは君のユーモアに期待したいけれど」
「うん、わかったよ」
ジャックはかかしの提案に笑顔で応えました、そしてでした。
男の子のところに来てです、にこにことしてでした。
おどけた踊りやカボチャの頭をコミカルに動かしたりピエロの様な芸を見せました。そうしたものを見ていますと。
自然とです、男の子はです。
泣き止んででした、そのうえで。
自然と笑顔になりました、ジャックは男の子が笑顔になったところで尋ねました。
「君はどうして泣いてたかな」
「うちの犬がいなくなったの」
「犬が?」
「うん、トニーがね」
男の子は犬の名前もお話しました。
「いなくなったの」
「トニーは君のお家の犬かな」
「うん」
そうだというのです。
「そうなの」
「それでトニーはどんな犬かな」
「緑の毛でね」
エメラルドの都の犬らしくというのです。
「とても大きいの」
「どれ位かな」
「僕と同じ位だよ」
小さな男の子と、というのです。
「大体ね」
「そう、君位だね」
「それで毛が長くて目が隠れているんだ」
「毛でだね」
「うん」
そうだというのです。
「そうした外見なんだ」
「わかったよ、名前はトニーでだね」
「大きくて毛が長くてね」
「緑色で目が隠れている」
「そうした犬なんだ」
「それじゃあ私達が探させてもらうわ」
ジュリアは困っている男の子を助けることをすぐに決めてです、その上で男の子に対して微笑んで言いました。
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