第八十七話 コルコルコルコル
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第八十七話 コルコルコルコル
ロシアはこの時着ていく服を選んでいました。何を着ていくのか必死に考えています。
「どうしよう」
服を選びながら困っています。
「何を着ていこうかな。これといった服が」
「どうしたんですかロシアさん」
強引にロシアの家の使用人になっているリトアニアが彼に声をかけます。茶色の髪を伸ばして清潔に揃えた中性的な顔立ちの青年です。やっぱり彼も軍服です。
「普通の軍服でいいと思うんですけれど」
「だってドイツとイタリアだよ」
「はあ」
ロシアが気にしているのはそこでした。
「軍服がお洒落な国で有名じゃないか」
「まあそうですね」
確かにドイツもイタリアも軍服が格好いいです。イタリアは服のセンスはいいのです。
「下手な服着ていって恥ずかしい思いしたら嫌だし」
「そうなんですよね」
こおでリトアニアはついつい気を緩めてしまいました。
「ロシアさん豪勢な服は飾りゴテゴテで質素なのは超質素!」
そのアンバランスさがロシアです。
「けばいかださいかどっちかしかないですもんね!」
ロシアに対してこの言葉。生身の人間がグロンギに立ち向かうようなものです。そしてリトアニアはすぐにそれを知ることになりました。
「コルコルコルコルコルコルコル・・・・・・」
「あああああああああっ!」
恐ろしい顔をして呟くロシアを見て慌てて言葉を訂正します。
「でも個性的!個性的っていうか!」
「シベリア行きのチケット用意するかも」
「それだけは!それだけは!」
やっぱりロシアはロシアです。とてつもない怖さを持っているのでした。
第八十七話 完
2008・3・7
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