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SAO:tr5―ジョーカー―
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「貴女、ギャルゲー好きで女好きの変態だったのね」
「!?」

 それはあまりにも唐突のことだった。
 第七十四層の迷宮区へと続く森の小路を歩いていた途端に、ドウセツがいきなりぶっこんできたのだ。それもドウセツは「今日は何曜日?」と気軽に訊くかのような感じだった。
 ドウセツは私がギャルゲー好きだっていう事実を知っていること、そして気軽に訊いてきた二重の意味で私はかなり動揺してしまう。
 お、おおおおお落ち着け。変態呼ばわれば全力で否定できるけど、私がギャルゲー好きなのは否定できない事実だ。
 と、とにかく、嘘ついてもいいから否定してないと私のイメージが酷くなってしまう! それだけは避けるべきことだ。

「ナ、ナンノコトデショウカ? ギャルゲ? ギャルノゲームシラナイ?」
「どうやら本当みたいね」
「ソ、ソンナコト、な、ない!」
「どうしてそう言えるの?」
「…………えっと……あのー…………と、とにかくドウセツが言っているのは嘘なの! 私が言っているんだから間違いない!」
「もうちょっと頑張って嘘つきなさいよ……」

 ドウセツは呆れているけど、それもこれもドウセツが気軽にドウセツに知ってほしくない趣味を暴露してきたせいなんだよ! おかげでこっちはめっちゃ心臓バクバク鳴って、動揺しているんだよ! 平然と嘘つけられるわけないじゃない!
動揺し過ぎて疑問に思っていたことを忘れかけていたが、改めて思う。
 ドウセツは何故、私がギャルゲーそのことを知っている!? 出会ってから一言もそんな話題を出した覚えもなければ、自然と口から漏らすこともギャルゲー好きだってことをジェスチャーでアピールなんてしてない……はず!
いったい、いつ、どこで、どうやって知ったのだ!?
 その疑問を訊ねることなく、ドウセツが教えてくれた。

「昨夜アスナから来ていたメールにはそう書かれていたわ」
「…………あぁー……なるほど、なるほど!?」

 納得しかけたけど、それもおかしな話だった。
 それってアスナも私がギャルゲーをやっていることを知っていることになるじゃないか。しかもアスナにそのような話をすることは絶対にないとハッキリ言える。
 そもそもの話、私の趣味を知る人なんて今では兄だけが知って…………。

「……ねぇ、メールの内容にキリトの三文字入っていた?」
「入っていたわ」

 犯人は兄でした。
 ……いや、誰にも言うなとは言っていないけどさ……そういうのって気軽に話すものじゃないじゃん? なんでアスナに教えちゃうのかな、そのせいでドウセツにも知ってしまったじゃないの。
 ……今度会った時はたっぷりと仕返しをしよう。そうだ、アスナに兄の恥ずかしい過去を暴露しちゃおう。別に兄は恥ずかしい話をアスナに話せとは言われていないんだ
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