第五章 Over World
もし、うまくいくならば
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翼刀の刃が、公園を囲うように突き立てられていく。
それは魔女結界ごと包み込む、さらに巨大で強大な結界だ。
映司は杏子に肩を借りて、まどかはほむらに抱えられて公園から出る。
四人が出てきたところで結界を張り終えた翼刀が降りてきて、五人はすぐにその場から離れて行った。
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目覚める。
どれだけ寝ていたのか、感覚では全くわからない。
そも、寝ていたというべきか気を失っていたというべきか。
目覚めたのは、ベッドの中。
見渡すと、どうやら誰かの家の中らしい。
石造りの壁。
丸い窓から差し込む光。
ベッド脇の机には、明かりの代わりなのかロウソク台が立てられている。
その装飾や雰囲気からは、まったく日本らしいものを感じない。
というより、現代らしくない。いうなれば近代西洋の趣だ。
と、そこで寝ぼけていた頭が、急にはっきりしてきた。
「わた・・し・・・・!!」
ガバリと
一人の人間の上体が、掛布団をはねのけて起き上がる。
周囲を見渡し、ペタペタと体を触って――――
「あれ?」
綺堂唯子は、そんな気の抜けた声しか出せなかった。
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「ほうほう。空を行く魔女にですか」
「そうなんですよ!!いきなり襲ってきて、なんでか私だけ連れて行って・・・あ、これおいしいですね!!」
「はっはっは。こんなものですが、それだけおいしそうに食べてくれると私もうれしいですよ」
場面を移して、唯子がそう語りかけるのは口髭を蓄えた老紳士だ。
実際には紳士ではなく牧師なのだが、どう見えるのかは着ている服の違いだろう。
目の前の大皿に出されているのは、山盛りのパスタ。
安くて大量に用意されたそれは、当然唯子とこの好々爺だけの物ではない。
「おねーちゃん!!もっとお話聞かかせて!!」
「魔女ってデカいの?」
「バーカ。魔女って言うのはちっこいお婆さんなんだよ。本に書いてあったぞー」
「でも怖いんでしょ?よくおねーさん大丈夫だったね!!」
「う、うーん・・・・大丈夫だったの・・・かなぁ?」
周囲を取り囲むのは、三人の少年少女だ。
男子が二人、女子が一人。
ここは教会。
彼等はここに引き取られた孤児らしい。
「ふぅ・・・・おいしかったーーー」
「では、皆さん祈りましょ
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