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恋姫伝説 MARK OF THE FLOWERS
55部分:第五話 張飛、馬超、顔良及び文醜と競うのことその九
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第五話 張飛、馬超、顔良及び文醜と競うのことその九

「さあ・・・・・・むっ!?」
「あれ、いませんけれど」
「何時の間に」
 田豊と沮授も言う。見れば二人はいなかった。
「ということは」
「ここは」
「棄権とみなして退場ですわ」
 ここで袁紹も言った。
「それでは勝者は」
「私達ですか」
「つまりは」
 こうしてだった。顔良と文醜の勝者になった。それで二人は鰻の桶の中で手と手を取り合ってそのうえで喜び合っていた。その全身に鰻達がこれでもかとまとわりついていてかなり大変な様子になっている。
「やったわね、私達勝ったのよ」
「ああ、ちょっと今やばい状況だけれどな」
「もう身体中にうねうねと」
 それが蠢いているのだ。身体のあちこちを覆って。
「周りの目が気になるけれど」
「それでも」
 何はともあれ二人は勝った。そしてその頃関羽達は。
 歌おうとしたそこでだ。目の前に四人の男女連れが出て来た。一人は黒いボブカットに赤い中華風の上着、それと青いスパッツの少女だ。顔立ちははっきりとしていて可愛らしい感じだ。
 一人は青と白の上着に膝までのズボンをして黒髪を真ん中で分けている少年だ。背はそれ程高くはないがそれでもひょうきんな印象を受ける。
 三人目は白髪に白髭の老人だ。その手には瓢箪がある。アークブラウンの上着と白いズボンを着ている。そんな老人だった。
 最後の一人は黄色いシャツと半ズボンに帽子の小柄な少女だ。最初の少女とはまた違った幼い可愛さを見せている。その四人だった。
「むっ、あの四人は」
「どうしたのだ?」
 関羽が趙雲に対して問い返す。
「あの四人か」
「うむ、見たところできるな」
 こう返す趙雲だった。
「武芸もだが」
「それだけではないか」
「歌もな」
 それもだというのだ。
「かなりできる」
「そうか。あの四人か」
「特にあの娘だ」
 趙雲はボブの少女を見ていた。
「あの娘、かなりの歌い手だ」
「そうか。あの娘は」
「あっ」
 その娘がふと関羽達の方を見た。そして言ってきたのだ。
「ナコルル・・・・・・さん?」
「あっ、貴女は」
 そしてナコルルもまた彼女に気付いた。
「アテナさんですか」
「はい、お久し振りです」
「そうですね」
 笑顔で応え合う二人だった。
「ネスツとの戦い以来ですね」
「本当に」
「何だ、知り合いなのか」
 趙雲は二人のやり取りを見ながら述べた。
「二人共。そうだったのか」
「はい、そうです」
「ナコルルさんとはその時にお知り合いになれました」
 二人共趙雲の問いに応えて話す。
「まさかこんな場所で御会いできるなんて」
「本当に」
「ということはだ」
 関羽もここで言う。
「そこの三人もや」
「そや」

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