暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのは〜無限の可能性〜
第4章:日常と非日常
第117話「■■の尖兵・前」
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ってはどんな奴も等しく雑魚だがな」

 鼻で笑った男の傍を、無骨な剣が通り過ぎる。
 帝が威嚇で放ったものだ。

〈マスター!?そんな迂闊な…!?〉

「…わりぃなエア…。…こいつ、ぶちのめす…!」

「ははっ……できるのならやってみるといい!」

 非常に馬鹿にした態度に、帝は我慢の限界だった。

「てめぇが何の目的でここに来たのかは知らねぇ…。けど、あいつの姿には似つかわしくねぇ雰囲気でわかるんだよ…てめぇは碌でもねぇ奴だってな!」

「…くく、だからなんだ?」

「……それにな、てめぇ如きが、あいつらの事を語ってんじゃねぇ。“等しく雑魚”だぁ?いつまでもその調子こいた自信が持てると思うなよ!」

 挑発染みた馬鹿にした態度を無視し、帝は思っていた事を吐露する。
 非常に気に入らない相手とはいえ、帝なりに優輝の事は認めていたのだ。

〈マスター……〉

「出し惜しみはなしだエア。……全力で殺ってやる…!」

 そういうや否や、帝は両手に双剣を携え、背後に王の財宝による波紋を浮かばせる。

「く、くく…はははははははは!!雑魚は雑魚らしく、踏み台にされて這い蹲っていればいいものを!いいだろう!そちらが御望みなら、こちらも存分に力を振るってやろう!」

 男は大きく笑い、構えもせずに、見下すように帝と対峙した。

「っ…………!」

   ―――「王牙。お前はまず、慢心も油断もするな。まずはそれからだ」
   ―――「お前はスペックは高い。ならば、一つ一つの動きを良く見ろ」
   ―――「その能力の原典の力に頼りすぎるな。自分だけの動きを見出せ」

「(……やってやらぁ…!)」

 威圧感に震える体を抑え、帝は優輝の言葉を思い出す。
 元々は“戦い”の“た”の字も知らなかった一般人だ。
 貰った特典の力で戦っていた帝は、“自分の戦い方”を知らなかった。
 それを、優輝との修行で身に着けてきたのだ。

 ……故に…。

「甘く、見るなよっ!!」

 …彼は既に、“踏み台転生者”と呼ぶような強さではなくなっていた。

「はぁあああああっ!!」

「…くくっ…!」

 帝は王の財宝を放ちながら、双剣を投げ、さらに投影した武器を振りかぶった。
 それを男は不敵な笑みのまま、眺める。



 …帝と謎の男の戦いが、今始まった。















       =優輝side=





「…王牙の奴。遅いな」

「最近はグチグチ言いながらもちゃんと真面目に来てたのにねー」

 いつもの霊術の修行で、僕らは神社に集まっていた。
 あれからも帝、アリシア、アリサ、すずかの腕前は上がっている
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