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レーヴァティン
第十四話 森を進みその一

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           第十四話  森を進み
 三人は沼に向かって進んでいった、道がなく森の中を進んでいくので馬や驢馬達は置いていった。
「パンシャとキーオには休んでもらうか」
「キーオ?」
「馬の名前だよ」
 智に笑って答えた。
「いい名前だろ」
「ひょっとして阪神の助っ人だった」
「ああ、エースでな」
 八十年代末から九十年代初頭に活躍した、暗黒時代の阪神を支えた助っ人であり彼がいなくては阪神はより酷かっただろうと言われている。
「この目では見てないけれど好きでな」
「馬の名前にもしたんだな」
「他にはカーランドとか考えたけれどな」
 爪楊枝を咥えた阪神の助っ人である、パワーヒッターの外野手で田淵と共にクリーンアップを務めた。
「バースとかな」
「バースかよ」
「お約束だけれどな」
「まあな」
 阪神といえばとだ、智もそこを言う。
「お約束過ぎるだろ」
「後はアリアスとかオマリーとかメッセンジャーとか考えてな」
 そしてというのだ。
「結局キーオにしたんだよ」
「そうなんだな」
「ああ、まあそれでな」
「そのキーオはか」
「置いてきたけれどな」
「厩舎はなかったですが近くに広い場所がありましたね」
 順一がこのことを言ってきいた。
「草も多かったので」
「あそこにパンシャと一緒にな」
「置いていきましたね、私の愛馬も」
「モンスターに襲われない様にしないとな」
「安心して下さい、決壊の術を張ってその中に置いたので」
 馬や驢馬達をというのだ。
「まずです」
「大丈夫か」
「はい、ただ」
「ただ?」
「彼等は賢いので結界の外には出ない様に言ってです」
「そこからは出ないか」
「そう思いますが相当に強力なモンスターならです」
 その結界もというのだ。
「破るかも知れません」
「それはやばいな」
「それこそドラゴンクラスの」
「いや、そのドラゴンを探しに行くからな」
 久志は笑って順一に返した。
「だからな」
「流石にですね」
「ないだろ」
 結界を破る様な強力なモンスターがその中にいるキーオ達を襲う様なことはというのだ。これが久志の予想だった。
「やっぱりな、まあとにかくな」
「はい、沼まで行って」
「確かめような」
「それでは」
「しかし沼か」
 その行き先についてだ、智は考える顔で二人に言った。
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