第一幕その六
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「水泳では勝てないわ」
「本当に速いですしね」
「物凄い速さですね」
「しかもどんな泳ぎ方も出来て」
「ターンも速くて」
ジョージ、カルロス、ナターシャ、恵梨香の四人も言いました。
「選手の人みたいです」
「私達とは全然違いますね」
「まるで人魚です」
「そうも思えます」
「そうね、あの娘は人魚ね」
オズマもこう言いました。
「お水の中じゃね」
「そういえばオズの国にも人魚はいますか?」
神宝はオズマの言葉を受けてふと言いました。
「この国には」
「ええ、いるわよ」
オズマは五人と一緒に泳ぎ続けながら神宝に答えました。
「人魚もね」
「そうなんですね」
「そうよ、海や川、湖にね」
「いるんですね」
「マンチキンの方には人魚の国もあるわよ」
「国もあるんですか」
「そうなの。そして人魚の国にはね」
オズマはさらにお話しました。
「凄く奇麗な真珠があるのよ」
「真珠もですか」
「そう、人魚達の宝なのよ」
それがあるというのです。
「一度見たら忘れられないから」
「そんなに奇麗なんですか」
「そうなの、これがね」
「そんなに奇麗なら」
神宝は思うのでした。
「一度見てみたいですね」
「そう言うと思ったわ」
オズマは神宝のその言葉ににこりと笑って応えました。
「じゃあマンチキンの国にね」
「行ってみればですね」
「いいわ」
「それじゃあ今度は」
神宝は目を輝かせて言いました。
「マンチキンの国での冒険ですね」
「あっ、マンチキンなんだ」
「いいね、あの国に行くのも」
「あの国も楽しいのよね」
「凄くね」
「そうしたわいいわ」
こう笑顔で言うのでした、オズマも。
「是非ね、ただね」
「ただ?」
「ただっていいますと?」
「人魚の国はマンチキンのかなり奥にあるのよ」
その国はというのです。
「だから長い旅になることはね」
「わかっておいてですね」
「そのうえで、ですね」
「行ってきてね」
こう言うのでした。
「そこは承知してね」
「はい、わかりました」
五人で一度にオズマに答えました。
「冒険に出た時は」
「そのことは頭に入れておきます」
「長い旅になるんですね」
「人魚の国に行こうと思ったら」
「その時は」
「勿論貴方達五人だけで行くよりも」
まだ子供の彼等だけで冒険に行くよりもというのです。
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