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最低で最高なクズ
ウィザード・トーナメント編 前編
運命はコーヒーの味?
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。まだ服からコーヒーのにおいがする。


外はすっかり陽が見え、光と影をほんのり色分けていた。家を出た時よりは少し暖かさも増している。俺は大きく息を吐いて、軽く吸ってから家に向けて走り出す。


行きとは違うルートで帰ろうと別の道を走っているとトレーニングで軽くランニングをする紗友里を見つける。流石に水をさすのはご法度だと理解しているから、敢えて感付かれないようにそこを通り過ぎた。


家に帰ると5時半くらいになっていた。朝食を手早く済ませて、学校に行く準備をするために制服に腕を通す。一通り着終え、荷物を持って家を出ようとした時に、まだ紗友里が帰って来ていないことに気づいて不思議に思う。


「アイツ学校に遅れるぞ?」

「あら?誠。アナタ制服なんか着て用事でもあるの?」


母が俺に聞いた。俺はその質問の意味が分からなくて、ひとまず「行って来ます」とだけ言って家を出た。いつも通り電車に乗り、マーリン学園を目指す。そして校門に辿り着いた時に俺は質問の意味を理解した。


(今日は土曜日だ。)

「................やっちまった。」


俺は部活に所属している訳でもないため、土日に学校にやってくる意味は一切ない。完全にマスターの一言に妙なやる気をつけられて瞬間的にそれが空回りした。


俺は赤面する顔を押さえながら、引き返す気にもなれず仕方なく学園に入った。すると妙な詠唱をする声が聞こえる。その後に落雷のような音がしたため、俺はそれが誰なのかすぐに分かった。


「休みの日に自主トレなんて感心するなイザベル。」

「ほぅ。ソナタも何の用事もなく来たわけではないのだろう?さては私と同じように己を磨きに来たのだな。」

(いや、シンプルに曜日を間違えただけで......。)

「あははっ.....そうなんだよ。いやー俺は超弱いからお前を少しでも勝ちやすくさせる為には自主トレして少しでも強くなるしか無くてさ。」

「隠さずとも良い。ソナタは曜日を間違えて来てしまったのだろう?休日にここに鍛錬に来る生徒なのであれば、私はきっと面識があったはずだからな。」

「どうして分かる?」

「私がそうしているからだ。休日も欠かさずこの学園に来ては、魔法をより効率的に使えるように詠唱を考えたり、魔力コントロール能力の向上に努めている。」

(そもそも効率性を求めるなら詠唱は要らんでしょ?)


敢えて口には出さない。というより彼女の場合は口に出したところでおそらく無駄だろう。彼女が妙に凝り性なのはこの短い期間に観察しただけでも十分理解できた。


つまり、彼女を100%活かそうと思うのであればこちらが主導権を奪わずに、思うがままにさせるのがベストだということだ。故に
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