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レーヴァティン
第十三話 狩人その八

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「順ちゃんから聞いてるな」
「ドラゴン倒さないといけないんだよ」
「依頼か」
「ここの領主さんからな、だからな」
「今はか」
「無理だ」 
 動けないというのだ。
「ドラゴンを倒すまでな」
「わかった、それじゃあな」
「諦めてくれるか、暫く」
「いやいや、俺は諦めが悪いんだよ」
 久志は笑ったまま青年に答えた。
「生憎な」
「ってことは」
「協力させてもらっていいか?」
「ドラゴン退治にか」
「諦めが悪くて待つのも嫌いでな」
 この二つの性分を兼ね備えているからだというのだ。
「そうさせてもらうぜ」
「いいのかよ、相手はドラゴンだぜ」
「強いよな」
「相当にな」
 まだ会っていないがそれは確かだというのだ。
「噂じゃ山みたいに大きいらしいな」
「それがこの森にいるのか」
「らしいぜ、けれどか」
「一人より三人の方がいいだろ」
 笑ってだ、久志は青年にこうも言った。
「戦って勝つなら」
「ああ、それはな」
「だったらな」
 それならというのだった。
「三人で戦おうぜ」
「そう言うのか」
「それでドラゴンを倒したらな」
 それならというのだ。
「一緒に行こうな」
「まあその仕事さえ終わったらな」
 それならとだ、青年も否定せずに応えた。
「ドラゴンを倒したらその礼もあるしな」
「じゃあいいな」
「ああ、これから宜しくな」
「こっちも頼むな、しかしな」
 青年と約束を取り付けてドラゴンを倒してからの仲間になることも決めた、だがそれでもだった。
 ここでだ、久志は首を傾げさせて青年に問うた。
「ドラゴンは大きいんだよな」
「それさっき言ったよな、俺が」
「ああ、山みたいだってな」
「山みたいか」
 そこまで大きいと聞いてだ、久志は言うのだった。どうもという考えになっているその顔でだ。
「そんなのか」
「そうなんだよ」
「そうか、そこまで大きくてな」
「この森にいてか」
「よく見付からないな」
「そうです、そこが私も気になります」
 順一も言う。
「そこまで大きいというのに貴方程の方が探して」
「それでもな」
「それはおかしいですね」
「そんな馬鹿でかいのドラゴンでなくてもな」
 それでもとだ、青年も言う。
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