暁 〜小説投稿サイト〜
夢幻水滸伝
第十三話 星と兵とその五

[8]前話 [2]次話
 二人同時に接近戦も挑み闘う、遠間と近間双方での攻撃で山本と闘う。山本も受けて立ち五分と五分の攻防となっていた。
 その横では夏目と井伏が闘い続けている、星達の攻防は激しさを増していた。その彼等を見つつだ。
 山陽の部将達は顔を見合わせてだ、こう言い合った。
「それじゃあのう」
「ああ、攻めるか」
「こうした時は棟梁に任されてるしな」
「やったるか」
「鉄砲も大砲も無敵やないわ」
 だからだと言ってだ、そしてだった。
 彼等はここでだ、正面からだけでなく。
 軍勢を左右に動かしてだ、その彼等をだった。
 関西の軍勢の横にやり攻めようとする、それを見て中原は言った。
「囲みに来たな」
「鶴翼ですか」
「その陣ですな」
「鉄砲も大砲も基本守りじゃ」 
 周りの兵達に言った。
「攻めて来る相手に対して撃つもんじゃ」
「そやからその左右を攻める」
「そういう考えですか」
「そうや、それで騎馬隊もある」
 山陽の軍勢にもというのだ、見れば東海の者達程多くはないが彼等も確かに隊を為している。
「連中が隙を衝いて来るか後ろから来るか」
「どっちかで、ですな」
「勝ちにきますか」
「そうしてくるわ」
 その動きを読んでいた。
「ここはな」
「それでどうしますか」
「囲んで騎馬隊も使ってくるなら」
「それやったらこっちも円陣を組んでや」
 そしてというのだ。
「何処から来てもええようにする、しかしな」
「しかし?」
「しかしといいますと」
「ここはもっとええ方法があるわ」
 中原は落ち着いた顔で兵達に述べた。
「それでいこか」
「と、いいますと」
「それは」
「敵の動きは読める」
 実際にその動きを見ての言葉だ、見れば騎馬隊を先頭にして鶴翼で囲みにかかっている。それは明らかだった。
「それやったら動きの先もわかる」
「ほな、ですか」
「その動く先にですか」
「鉄砲を集中させてじゃ」
 そうしてというのだ。
「相手の動きを封じる、そしてな」
「まだですか」
「さらに仕掛けますか」
「鉄砲と同じ場所に大砲も撃つ」
 それも行うというのだ。
「しかも普段は斜めに撃つな」
「はい、大砲は」
「そうします」
「それを正面に撃つ」
 斜め上に撃ってその落ちる砲弾で攻めるのではなく、だ。
「敵の陣の上からやなく正面にや」
「そうしますか」
「そうして攻めますか」
「そうや、それで敵の動きを吹き飛ばす」
 そうするというのだ。
[8]前話 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ