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ドリトル先生と悩める画家
第十一幕その十二

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「他にも沢山の神様が祀られているから」
「ええと、何柱でしょうか」
 トミーは八条神社に祀られているその神様の数についてです、先生に尋ねました。
「一体」
「ううん、二十かな」
「多いですね」
「そうだね」
「日本の神社にしても」
「かなり多いのは確かだよ」
 日本の神社の中でもというのです。
「そのことはね」
「そうなんですね」
「二十以上かも知れないけれどね」
「そこまでですか」
「とにかく多いよ」
「そうなんですね、あとですが」
 トミーは先生にさらに尋ねました。
「日本の神様は一体どれだけいるのか」
「俗に八百万の神々と言われているね」
「『やおろづ』と」
「あれは多いっていう意味でね」
「実際にはですか」
「もう八百万じゃ効かないかもね」
「そんなに多いんですね」
「古事記や日本書紀でも神様は次から次に出て来るし」
 それこそイザナギの命が海で身体を清めただけでもです、次から次にどんどん神様が生まれていっていっています。
「もう僕もね」
「その数はですか」
「わからないよ」
「そんなに多いんですね」
「一体どれだけの神様がいるんだろうね」
 先生までこう言うことでした。
「間違いなく日本の神様はあらゆる神話、宗教で一番数が多いけれどね」
「それは確かですね」
「うん、桁が違うよ」
 神様のその数がです。
「そしてその総数たるや」
「物凄くて」
「僕もわからないんだ」
「本当に八百万以上いるんですね」
「人も死んで神様になるからね」
 このこともあってというのです。
「誰でもね」
「死んで祀られたらですか」
「大阪に太閤神社ってあるね」
「豊臣秀吉さんを祀った」
「そう、あれで豊臣秀吉さんも神様になったんだ」
 神社で祀られているからというのです。
「靖国神社の英霊の人達もだよ」
「あの人達もですか」
「死んで祀られているからね」
「神様なんですね」
「そうなるね」
「じゃあ本当に多いですね」
「織田信長さんも徳川家康さんも神様で」
 やっぱり神社で祀られているからです。
「上杉謙信さんだよ」
「あの梅干でお酒を飲むことが好きだった」
「あの人もね」
「確かお坊さんでしたよね」 
 トミーは謙信さんのそのことを思い出しました。
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