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ドリトル先生と悩める画家
第十一幕その二

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「有り難いことにね」
「そうだね」
「じゃあ大学に行ったら」
「楽しく講義しようね」
「そして論文も書こうね」
「是非ね」
 笑顔で応える先生でした、そしてです。
 先生は学校に行きました、するともう道のあちこちで雪かきが済んでいて行き来がしやすくなっていました。大学の道もです。
 かなり歩きやすくなっています、ですが先生は皆に注意する顔で言いました。
「道はまだ凍っていたり雪が残っているからね」
「うん、歩くにはね」
「気をつけていこうね」
「さもないとこけるね」
「滑ってね」
「そうなるからね、景色は奇麗でもね」
 一面雪に覆われた普段と全く違うキャンバスはです。
「足元は注意しないと」
「そうよね、どうしても」
「さもないとこけるから」
「ここは注意して」
「それでやっていきましょう」
「絶対にね」
 こうしたお話をしてでした、皆は何とかです。
 前に進んでいきます、とはいっても皆よりも先生の方が足取りは頼りない感じです。それで皆は先生に言いました。
「ちょっと、駄目だよ」
「先生足元心配よ」
「もっとしっかり歩いて」
「ちょっとね」
「そう、もっとね」
 さもないと、というのです。
「怪我するわよ」
「そうなるわよ」
「しょっちゅう滑ってて」
「こけないか心配になるわ」
「注意してね」
「うん、これでも雪道には慣れているけれど」
 日本より寒いイギリスで生まれ育っていたからです、先生には自覚があります。
「皆から見るとだね」
「かなり頼りないから」
「だから先生こそ一番気をつけてね」
「さもないと本当にこけるわよ」
「そうならないでね」
「注意するよ。今は塩化ナトリウムが撒かれているね」
 見れば周りでどんどん撒かれています、そうして雪を溶かそうとしているのです。
「だからお昼にはね」
「もう、だね」
「雪が溶かされていてよね」
「気温も上がるし」
「歩きやすくなっているわね」
「そうだよ」
 是非にというのでした。
「大丈夫になってるよ」
「じゃあ今が肝心ね」
「滑ってこけない様にするには」
「先生も僕達も」
「この朝がどうかよね」
「そう、とにかく研究室に行こう」
 何はともあれというのです。
「そうしようね」
「それじゃあね」
「頑張って行きましょう」
「雪が大変でも」
「凍ってもいるけれど」
 それでもとお話してです、そのうえでなのでした。 
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