暁 〜小説投稿サイト〜
亡命編 銀河英雄伝説〜新たなる潮流(エーリッヒ・ヴァレンシュタイン伝)
第六十七話 クーデター計画
[1/5]

[8]前話 [1] 最後 [2]次話
帝国暦 486年 8月 1日  オーディン ブラウンシュバイク公爵邸  
オットー・フォン・ブラウンシュバイク



「伯父上、盛況ですな」
「そうだな」
邸内には着飾った夫人、それをエスコートする貴族、軍人達が溢れている。いずれもブラウンシュバイク公爵家に招待された客だ。

「これを見ればリヒテンラーデ侯もブラウンシュバイク公爵家の勢威を思い知るでしょう」
フレーゲルが邸内を見渡し得意げな、満足げな表情をしている。それに相槌を打ちながら内心で溜息を吐いた。有象無象が集まってどうなるというのだ、大事なのは核になる人間が居るかどうかだ……。未だあの男は来ない……。

フレーゲルが何かと話しかけてくる。おそらくは周囲にわしと親密な所を見せつけたいのであろう。それによって自分を重要人物だと認めさせようとしている。適当に相手をしていたがいい加減うんざりした。少し一人にしてくれと言って追い払う。フレーゲルが残念そうな顔をしたが気付かぬふりをした。

先帝フリードリヒ四世が崩御してから二月半、これまでオーディンではパーティや観劇の類は自然と自粛された。代替わりには良くあることだ、三十年前、オトフリート五世が崩御しフリードリヒ四世が皇位に就かれた時も同じだった。

だがあの時とは違う事も有る。帝都オーディンの空気が重い。邸内の空気も何処か鈍重だ、皆笑顔を見せながらも時折不安そうな表情をしている。今日は久々のパーティであり陛下の御臨席も賜る。本来ならもっと華やかに軽やかに会話が弾んでいいのだが、どこか周囲を憚るような雰囲気に包まれている。皆先が読めないことに不安を隠せずにいる。ここに来たのも少なからず周りがどう考えるかを窺いに来たのだろう。

「ブラウンシュバイク公」
名を呼ばれて振り返るとリッテンハイム侯がいた。ようやく来たか……。
「盛会だな、喜ばしい事だ」
「うむ、何よりも卿が来てくれたのは嬉しい事だ」

リッテンハイム侯が笑い出した。
「陛下が見えられるのだ、来ぬわけにもいくまい。違うかな?」
「まあ、それもそうか」
こちらも釣られて笑いが出た。妙な話だが甥であるフレーゲルよりもこの男の前の方が素直になれる。おそらく同じ立場にあることが理由だろう。

「少し公と話がしたいのだがな、場所と時間を用意してもらえんかな」
リッテンハイム侯は顔に笑みは浮かべているが眼は笑っていない。場所と時間か、望むところではある、こちらも侯と話をしたい。

「わしも侯と話したい事が有った。ついて参られよ」
邸内の一室を目指す。皆が我らに注目するのが見えた。もっともこちらが視線を向けると顔を背け知らぬ振りをする。我らが居なくなれば大騒ぎだろう、やれやれだ。

「狭い部屋だが許してほしい」
「いや、構わんよ」
案内したの
[8]前話 [1] 最後 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ