暁～小説投稿ｻｲﾄ～:魔法少女リリカルなのは　絆を奪いし神とその神に選ばれた少年真・四十一話　反逆への狼煙

暁～小説投稿ｻｲﾄ～

魔法少女リリカルなのは　絆を奪いし神とその神に選ばれた少年

真・四十一話　反逆への狼煙
[1/4]

翌日、全は何事もなく起き上がり、シンが帰ってきているのか確かめるが、まだ帰ってきていない。

つまりは、まだ確実な情報を入手できていないのだろう。だが、全の心には不安などなかった。

シンならば絶対に入手してくれる、そんな確信があったからだ。

《ところで、全》

「なんだ、真耶」

朝食の準備をしていた所、真耶は話しかけてきたので全は応じる。

《お前、シンの事を信じているんだな》

「当たり前だろ、前(・)世(・)の(・)頃(・)か(・)ら(・)の(・)相(・)棒(・)なんだからな」

《なんだ、やはり気づいていたんだな。シンがお前が前世で愛用していた短刀『月影』だという事に》

「まぁな」

そう、シンは元々意思も何も持たないただの銘を与えられた短刀だった。

しかし、前世で全が愛用している間に全の中にいる真耶の影響を受けたのか、徐々に意思が生まれていきいつしか主である全を心から慕うようになった。

そして全が死に、デバイスに関して悩んでいた真白に頼み込んだのだ。自身をデバイスにしてくれと。

「にしても、母さんも粋な事をしてくれるよね。まあ、一発で分かったけど。あの馴染み深い感触は相棒である月影でしか抱けないと確信してたし」

《なるほどな。戻ってきたシンに伝えてやれ、恐らく泣くかもしれんがな》

「ははっ、あり得る」

そんな何気ない会話をしながら朝食を食べ、身支度を済ませ家を出る。

家から出て学校へと向かう間、あの記憶の中と同じように町の人からは嫌悪を感じさせる視線を全は受けていた。

「よぅ、坊主。登校か？」

「あ、肉屋のおじさん。おはようございます」

「おう、おはような！最近めっきり来てくれなくてちょっと寂しかったんだぜ？また顔出してくれよな！」

「あ、は、はい……」

豪快な感じのする肉屋の店主はそのまま歩いて去っていった。

「真耶、完全に記憶は改変されてないのかな？」

《分からん。だが、前回までと今回の違いの一つだな。前回までは全員から嫌悪の視線を向けられていたが、少なくともあの肉屋の店主はお前を嫌ってはいなかった。今回の改変は上手くいかなかったのか？》

「何が原因だと思う？」

《…………恐らくは、劫(アイオン)の眼だろう。あれは運命を選定する眼だ。運命と記憶、どちらが優先されるかは一目瞭然だろう？》

「そうなのかな……」

《ああ、劫(アイオン)の眼とはそういうものだ。だが、気をつけろ。劫(アイオン)の眼は使用と同時に使用者の魂を喰っていき、最終的には全ての魂を喰いつくす存在だ。まあ、私がいる間は私が肩代わりするがな》

「大丈夫なのか？

[8]前話前書き [1]次最後 [2]次話

※小説と話の評価する場合はログインしてください。

[6]

[0]目次に戻る

暁～小説投稿ｻｲﾄ～
利用規約/ﾌﾟﾗｲﾊﾞｼｰﾎﾟﾘｼｰ
利用ﾏﾆｭｱﾙ/ﾍﾙﾌﾟ/ｶﾞｲﾄﾞﾗｲﾝ
お問い合わせ

2024 肥前のﾎﾟﾁ