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レーヴァティン
第十一話 空の港町その十六
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「建築に凝ったりもな」
「あの国それもしてるな」
「俺も御前も建築には興味はないが」
「それも駄目だな」
「権力者の病と言われている」
 多くの国で言われていることだ、秦の始皇帝やブルボン朝のルイ十四世がその代表であろうか。特に始皇帝は有名だ。
「これもだ」
「暴政になるよな」
「始皇帝は実際にだ」
「それで滅んだっていうな」
「万里の長城等を造らせた」
 自身の宮殿や陵墓も含めてだ。
「それが国力を疲弊させ民衆の反発も買ってだ」
「秦は滅んだな」
「そうなった」
「歴史にある通りだな」
「元々秦への反発は強かった」
 武力と法による他国の併呑による統合だっただけでなく史記を読むと元々他国に好かれていたふしはない、もっとも司馬遷はどうも秦という国への反発が強かった様だが。
「それもあってだ」
「だからか」
「そうだ、そのうえで始皇帝の建築癖も祟ってだ」
「反発が強まってか」
「始皇帝の死後叛乱が頻発した」
 陳勝呉広の乱にはじまり項羽の叔父項梁や劉邦が起ちだ。
「そしてあの国は滅んだ」
「そこに建築があったのは事実か」
「建築は注意することだ」
「あまり過ぎると国を傾けるか」
「俺も御前もその心配は薄い様だがな」
「家なんてな」
 それこそとだ、久志は英雄に首を傾げさせつつ言った。
「普通に住めればいいだろ」
「宮殿は不要か」
「ああ、別にな」
「俺も同じ考えだ」
 かくいう英雄自身もというのだ。
「建築は少なくとも自分の様なものはだ」
「特にだよな」
「建てる気はない」
 そうだというのだ。
「特にな」
「宮殿とか墓はか」
「建てる気はない」
「そうだよな、まあとにかく建築にはか」
「気をつけろ、そしてだ」
「政治全体をか」
「考えてやっていくことだ」
「統一したらか、いや」
 言いつつだ、久志は自分の言葉を訂正させた。その訂正させた言葉は一体どういったものかというと。
「領土を手に入れたらか」
「その時点ではじまる」
「そうだよな、政治はな」
「内政も外交も進めていくことだ」
「戦争のこともだよな」
「そうしたことを考えていきだ」
 それも細かくだ。
「そのうえで政治全体をしていくことだ」
「よくわかったぜ、それじゃあな」
「そちらもしっかりやれ」
「そうさせてもらうな」
 久志は英雄に確かな笑顔で答えた、そしてだった。
 あちらの世界での政治のことも考える様になった、島に一人になったのでそれは余計にだった。それでだった。
 英雄もだ、その久志に言った。
「俺も御前もだ」
「それぞれの島でだよな」
「戦いも政治もやっていくぞ」
「わかったぜ」
「こちらの世界ではこうして話を交換してだ」
「やっていくか」
「そうしていく
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