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レーヴァティン
第十一話 空の港町その十三

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「あちらの世界で御前と会うことはない」
「そうなるな」
「そして言ったな」
「ああ、吉報以外はだよな」
「聞くつもりはない」
 一切、とだ。英雄は久志に言い切った。
「それは言ったし訂正するつもりもない」
「やっぱりそうか」
「吉報だけを聞かせろ」
「負けただの死にそうになっただの博打ですったりとかはか」
「最後は余計だ」
「ははは、ギャンブルは一切興味がないけれどな」
 言ってそれはすぐに打ち消した。
「金をかけてまですることじゃないな」
「ギャンブルは興味がないか」
「ああ、全然な」
「それなら言うな」
「例えだよ、とにかくな」
「いい話だけをだ」
「聞かせろっていうんだな」
「そうした状況になれ」
 久志にこう言うのだった。
「いいな」
「そうさせてもらうぜ、そしてな」
「当然俺もだ」
「そこはしっかりしろよ」
「わかっている」
 当然ながら自分自身のことにもだ、英雄は当然だとしていた。だからこそ久志にもはっきりと答えたのだ。
「そこはな」
「それじゃあな」
「お互いにだ」
「それぞれの島を統一してな」
「あちらの世界を救うとしよう」
「どっちにしても群雄割拠だとな」
 その状況はどうかとだ、久志は考える顔で言った。
「島の人達にもよくないな」
「それで互いに争っているとな」
「戦争ばかり起こっていていいことないしな」
「そのことからもだ」
「島は統一する必要があるか」
「戦乱がないことはいいことだ」
 何といっても、という言葉だった。
「それだけでな」
「そうだよな」
「勿論戦争がないだけで幸せとは限らない」
 平和であろうがその平和な社会がどういった社会であるかが重要だというのだ、英雄はこのこともわかっていた。
「腐敗しきった社会やマフィアが牛耳る社会や独裁国家ではだ」
「平和でもな」
「いいことはないな」
「ああ、確かにな」
「だからだ」
「平和イコール幸せじゃないか」
「そうだ、しかしそれでも戦乱がないことはだ」
 このこと自体がというのだ。
「いいことだ」
「それは間違いないよな」
「だからだ、統一するぞ」
「ああ、それぞれの島をな」
「そうする」
「そしてだ」
 英雄はさらに言った。
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