暁 〜小説投稿サイト〜
ドリトル先生と悩める画家
第十幕その四

[8]前話 [2]次話
「雪に包まれていると」
「それだけでだね」
「全く違います」
「そんな感じがするね」
「はい」
 実際にというのです。
「別の場所にいるみたいです」
「君がよく感じることだね」
「同じ場所でも季節や時間、気候によって」
「変わるね」
「どんな場所でも」
「そうなんだよね」
「そしてそれを感じ取ることが」
 先生にです、太田さんは目の光を強くさせて述べました。
「大事ですね」
「芸術にはね」
「ですからこの動物園も」
「観てだね」
「何かを感じます」
「だからこそここに来たんだね」
「はい、あとですが」
 太田さんは先生にこうも言ったのでした。
「僕ペンギンが好きなんです」
「ああ、あの鳥がだね」
「はい、好きです」
 実際にというのです。
「愛嬌がありますね」
「そうだね、よちよちと歩いてね」
「あの姿がいいです」
「陸地ではそうでね」
「一旦海に入ると」
 太田さんはペンギン達のそれからもお話するのでした。
「凄い速さで泳ぎますね」
「そうだよ、ペンギン君達にとって海は空なんだ」
「他の鳥達と同じで」
「そう、主な場所なんだ」
「海で泳ぐのに最適の身体なんですね」
「そうなんだ」
 実際にというのです。
「寒い南極の海で長い間泳いで獲物を手に入れる」
「そうした鳥ですね」
「だからあの体型なんだ」
「翼で泳ぐんですね」
「そうしているんだ」
 飛ぶのではなくです。
「あれも進化の一つだよ」
「生きものの」
「そうだよ、海では凄い速さで泳げるから」
「面白いですね」
「そうだね、じゃあ彼等も観るんだね」
「もう観てきました」
 既にという返事でした。
「ここに来て最初に」
「そうなんだね」
「物凄く楽しそうに泳いでました」
「何しろこの寒さだから」
「元気なんですね」
「雪まで降ってね」
「南極みたいに、いや違いますね」
 太田さんは自分のお言葉を訂正して言うのでした。
「南極よりはあったかいですね」
「あそこと北極は違うよ」
「寒さのレベルが」
「僕はどっちも行ったことがあるけれどね」 
 それでもというのです。
[8]前話 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ