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強欲探偵インヴェスの事件簿
インヴェスの本性、そして悪名
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 しかし、そんな軽い命をどうしても助けたいというならば、相応の金を払うのが世の常である。自分の力量と依頼の危険度、そして報酬。それらを天秤にかけて冒険者達は自分の受ける仕事を決める。冒険者とて人であり、仕事である。人は糧が無くては生きては行けず、糧を得るには金がいる。金を得るには仕事をする。出来るならば当然、楽で金払いのいい仕事がいい。名より実。冒険者というヤクザな商売の現実である。誇りで飯は喰えないのだから。

「しかもこいつはギルドを通さねぇ個人的な依頼だ、俺に支払われる報酬は俺が決めて良いハズだよなぁ?あぁ!?」

 これもインヴェスが語る通り事実である。ギルドを通して冒険者に個人的に依頼する事は可能である。そしてその場合、相手が望むだけの報酬を支払う義務が発生する。ギルドも仲介役としてあまりに法外な場合には報酬額を下げさせるが、それでも法の範囲内ギリギリの金額を請求する事ができる。そして依頼人はそれを承諾して契約を結ぶか、諦めるかの2択である。そしてその報酬が支払えない場合は依頼人が罪に問われ、犯罪奴隷に堕とされて、完済するまで人権らしい人権は認められないような酷い扱いを受けるのだ。ましてや今回のミーアの場合は、ギルドを通していない。この場合はインヴェスの言い分が強く、契約すればインヴェスの言い値で支払う義務がミーアに発生するのだ。そして、支払えない金額の補填に『現物』で対価を支払う事も承認されている。愛する者の為に、見目麗しい女性がその身体を差し出す……なんてどこのエロゲだよ的な展開が、この世界では罷り通っているのだ。

『助けて欲しけりゃ金払え、無いなら別の物で払え』

 なんてのがこの世界の日常であり、インヴェスの言い分も行動も特に問題は無いのだ……ミーアが納得していれば、という但し書きが付くが。そしてインヴェスの狙いはここにあった。見た所ミーアは男性経験が皆無に見えるし、法外とは言えないが到底支払えない額を請求すれば、彼女は立ち去ろうとする。そこに手を差し伸べてやるのだ、救いの手ではなく地獄へ引きずり込む悪魔の手を。ハリーにさえ邪魔されなければベッドに連れ込み、コトに及んでから交渉に発展させるつもりだったのである。百戦錬磨の自慢のテクで脳味噌から正常な判断力を奪い去ってから、金額の交渉に持ち込む。とても払えないとでもまた言われたら、『なら、事件が解決するまで俺の恋人でいろよ』とでもいって束縛して、都合のいい女にでも仕立てあげようと考えていた。




 事件が解決するまでの間に、ミーアに恋でもさせてしまえば後はこっちの物である。煮るなり焼くなり、好きに(エロい意味で)調理してやろう等と考えていた。真性のクズである。その上、彼がミーアに手を出そうとした理由が『ただ何となく』であるのが余計に質が悪い。本来インヴェスは、も
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