第四章
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「だからね」
「喉は、ですね」
「こうした仕事でもね」
「むしろこうしたお仕事だからですね」
「うん、余計に気をつけて」
そしてというのだ。
「やっていこうね」
「わかりました」
美優も頷く、そしてだった。
彼女は吸血鬼の仕事をつづけた、打越はその彼女に真剣な顔でこう言った。
「いいかい？公開の時までね」
「映画の内容については」
「絶対に秘密だからね」
こう言うのだった。
「何があっても」
「それで公開までは」
「お客さんに待っていてもらうから」
あえてその内容への秘密主義を徹底させてというのだ。
「そうしてもらうからね」
「そうしてですね」
「インタヴューとかブログでの話はね」
映画の内容に関するそれはというのだ。
「もう内容に関することはね」
「一切ですね」
「書いたら駄目だから」
明らかなストップだった。
「わかったね」
「はい」
「これは他の役者さんやスタッフにも言ってるから」
つまり関係者全員にだ、打越は自分の作品についてはいつもそうさせているが今回もそうしているのだ。
「だからね」
「はい、何も言わない」
「そういうことでね」
「公開までは」
まさにその時はというのだ、こうしてだった。
美優は普段は何かと書くブログも明るくおおっぴらなインタヴューもかなり慎重にした。マネージャーのチェックも受けて。
だがそれは彼女の望みことでなくだ、マネージャーにグラビアの仕事に行く前にぽつりと漏らした。
「映画のことは」
「うん、一切言えないし書けないことは」
「嫌ですね」
「仕方ないよ」
マネージャーはこう美優に答えた。
「あの人は秘密主義だから」
「映画については」
「公開までは一切だよ」
それこそというのだ。
「言わないことはね」
「打越さんの方針ですね」
「だからね」
「それで、ですね」
「何も言わずに」
そうしてというのだ。
「やっていこうね」
「わかりました」
「あとね」
「あと？」
「撮影が遅れているけれど」
打越が何度もカットを言って撮りなおしをしてだ。それが何度も何度もとなっていてなのだ。
「このこともね」
「いつもですか」
「そう、だからね」
「言わない、ですね」
「我慢してね」
「そうしてですか」
「やっていこうね」
こう美優に言うのだった。
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