暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのはエトランゼ(異邦人) 再構築
2部 P・T事件
5章 宿命が閉じるとき
宿命が閉じるとき
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「プレシア・テスタロッサ、もう終わりです。次元震は私が抑えています。
駆動炉もじきに封印されるでしょうし、そこには皆が向かっています」

 その声の主――リンディ・ハラオウンが凛とした声でそう告げる。

「忘れられし都”アルハザード”。
そして、そこに眠る秘術は存在するかどうかも曖昧なただの伝説です。
もし、”アルハザード”があったとしても、
この方法はずいぶんと分の悪い賭けだわ。
……あなたはそこに行って、何をするの? 
失った時間を取り戻そうとでもいうの?」

プレシアは僅かに目を瞑りその後、すっと目を開く。

「そうよ、私は取り戻す。
こんなはずじゃ無かったあの時を私は取り戻すの・・・」

「・・・プレシア・テスタロッサ、あなたは・・・」

プレシアの言葉に、リンディが驚いたように声を上げると、

少年の声が聞こえた。

「世界は、いつだって……こんなはずじゃないことばっかりだ!!
ずっと昔から、いつだって、誰だってそうなんだ!!
こんなはずじゃない現実から逃げるか、
それとも立ち向かうかは、個人の自由だ!
だけど、自分の勝手な悲しみに、無関係な人間を巻き込んでいい権利は、 どこの誰にもありはしない!!」

 それと同時にクロノが最深部までやってきた。
クロノは頭から血を流しながらそしてS2Uを杖にしながら
プレシアの元に歩いていった。
その後にフェイトが間に合った。

「・・・母さん」

「・・・フェイト」

 プレシアとフェイトはお互いを見つめながらそう呟いた。
プレシアは見た目では何も表情に変化は見えなかった。
しばらく無言で二人はお互いを見つめ合っていたが、それは唐突に終わりを告げる。

「――っ!? ごほっ、ごほっ!」

 プレシアが口元を押さえながら激しく咳き込んだ。
最後に使用した次元魔法が、プレシアの体に負荷を掛けたことと、
もはやその体を蝕んでいる病にプレシアの体は限界まできていたのだ。

「か、母さんっ!?」

 突然咳き込み始めたプレシアにフェイトが駆け寄ろうとするが、

「・・・何しにきたの・・・?」

「わ、わたしは……」

 プレシアは顔色を青くしながらも気丈に立ち、
フェイトへと厳しい言葉を投げ捨てた。
フェイトはその言葉を聞き、駆け寄ろうとしていた足を止めた。
プレシアはさらにフェイトへと口を開く。

「……消えなさい。もうあなたに用はないわ」
「…………」

 フェイトは何も言えず黙ってしまうが、
その瞳はしっかりとプレシアへと向いていた。

「――あなたに、言いたいことがあってきました」

「…………」

 フェイトの言葉に、
僅かに意表を突かれたような表情となる

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