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魔法少女リリカルなのはエトランゼ(異邦人) 再構築
2部 P・T事件
5章 宿命が閉じるとき
宿命が閉じるとき
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レシアの表情には笑みが浮かんでいた。

「いっしょに行きましょう、アリシア、今度は離れないように。
そして・・・」

 プレシアは虚数空間へと落ちながらも、フェイトへと笑顔を向ける。

「っっ!? アリシア! 母さん!!」

 フェイトはプレシアへと手を伸ばすが、
その手が届くはずもなく、プレシアは笑みを浮かべたまま、
アリシアとともに虚数空間へと消えていった。
プレシアとアリシアが虚数空間へと落ちていくのを、
フェイトたちは呆然と見つめていた。

 だが、そんなに呆然としている暇はない。
時の庭園の崩壊は始まっており、
もはやゆっくりしている暇などなく、
このままでは皆、虚数空間へと飲み込まれてしまう。
そんな中、フェイトは未だにプレシアとアリシアが落ちていった方へと手を伸ばし、呆然とそちらを見つめていた。

「フェイト、早くここを離れないとっ!」

 アルフの言葉はもっともで、時の庭園の崩壊は止まらず、その揺れも激しさを増してきていた。
だが、フェイトはその声を聞いてもその場から動こうとしなかった。

「ッ!? フェイト!?」

アルフが先ほどよりも焦った声を上げていることに気付いたフェイトは、俯いていた視線を上げた。

「っ!?」

 時の庭園が崩壊している影響から、壁が崩落してきており、フェイトの上から巨大な岩が落ちてきたのだ。

「フェイトォオオオッ!?」

 アルフが心配から声を上げた。
 フェイトはぎりぎりのところで当たらなかったが、
その岩はフェイトが立っていた場所を壊していきして
フェイトはなんとか残った地面にしがみついていた。 
下は虚数空間であり、落ちたら戻ってくることはできない。
もしかしたらここから落ちたら二人に会えると思ったのかもしれない
でも人は生き残るために無意識に動いてしまう。
フェイトは腕に力を込め、しがみついていた地面へと這い上がる。

「フェイトちゃん……!」

 それとほぼ同時に、
砲撃魔法で壁を破壊してやってきた
白いバリアジャケットを纏ったなのはが飛び込んできた。
なのはは少し周囲を見渡した後、フェイトの姿を見つけ、
飛行魔法で近くへと飛んできて叫ぶ。

「飛んでっ! こっちに……っ!」

 なのはは天井から落ちてくる瓦礫を避けながら、
フェイトへと精一杯手を伸ばした。
そんななのはの姿を見た後、フェイトは僅かに逡巡すると、
覚悟を決めたような表情となり、
最後にプレシアとアリシアが落ちていった方へと視線を向ける。
そして、フェイトはこちらへと手を伸ばしているなのはへと手を伸ばしながら地面を蹴った。

「っっ!」

「フェイトちゃんっ!」

 なのはがフェイトの手を取り満面の笑みを浮
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