暁 〜小説投稿サイト〜
ドリトル先生と悩める画家
第九幕その八

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「この楽しみもいいね」
「うん、冬だね」
「日本の冬の楽しみ方だね」
「暖かいお部屋の中で熱いお酒を飲んで」
「それで雪景色を観る」
「コタツにも入ってるし」
「これも風流なのかしら」
 動物も皆も先生と一緒に窓の外の銀世界を見つつ言います。
「お外は寒いけれどね」
「お部屋は暖かいし」
「お酒とお漬物は美味しい」
「最高の楽しみかしら」
「実際に楽しいよ」
 先生のお顔はほんのり赤くなっています、見ればどてらも着ています。
「こうしているとね」
「日本の楽しみの一つを満喫して」
「それでにこにこしてるじゃない」
「日本に馴染んで」
「もう心から日本に親しんでいるわね」
「そうなったね。とにかくこうした楽しみはね」
 どてらを着てこたつに入って日本酒を飲みながら雪景色を楽しむことはです。
「日本以外にはないよ」
「イギリスにもないしね」
「イギリスにはコタツも日本酒もないから」
「雪景色も少し違うし」
「そこはまた違う楽しみ方になるわね」
「畳もないからね」
 先生は畳も観て言うのでした。
「これもね」
「そうそう、畳がないんだよね」
「畳も日本独自のもので」
「他の国にないから」
「他の国の建物にはね」
 だからそれこそ特別に日本の建物を建てるかお部屋を造るかしかありません、畳を取り入れるのならです。
「こうした楽しみを味わえるのはね」
「基本日本にいてこそ」
「そういうものなのよね」
「これが」
「そうだよ、そしてその日本にいるからこそ」
 先生はお酒を少しずつ飲みながらまた言いました。
「こうした楽しみも満喫出来るんだ」
「何かお酒どんどん飲んでいってるわね」
「そんなに美味しいんだね」
「今日のお酒は」
「うん、美味しいよ」
 実際にというのです。
「どんどん飲めるよ」
「けれど晩御飯もあるから」
 ガブガブはまるでお母さんみたいに先生に言いました。
「程々にね」
「何か一升瓶全部開けそうだけれど」
 ダブダブは先生の飲んでいる勢いを見ています、トミーが温めた熱燗を飲んでいっています。
「せめて一升だけで終わってね」
「一升も相当だよ」
 老馬から見てもです。
「それだけ飲むと」
「先生ってお酒飲む量多いけれど」
「それでも晩御飯のこともあるわ」
 チープサイドの家族も先生に注意します。
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