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とある科学の傀儡師(エクスマキナ)
第85話 開戦の笛
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てさながら尊師のように悦に浸るトビは横目で青い顔をしている3人を見下した。

「さ、サソリさんをどうしたの......ですわ?」
「ふふふ、元の世界に送り返してやったよ。僕達とサソリはこことは別の世界から来たからね」
「邪魔ばっかりしてきやがるからうざかったっすね」
「これでサソリも元の世界に戻れたから満足だろうな......かつての同胞だからね。所詮サソリがして来たことなんて無意味だ」

「無意味じゃありませんわー!」
頭をフラフラさせながら湾内が拳を突き立てて声を荒げて抗議をすると、白ゼツがいる屋上のブロックを突き破るように大量の水を噴出して押し流す。
「っ!?」
流される白ゼツを眺めるとトビは爪を立てるように反撃してきた湾内達に追撃するべく走りだす。
「悪いですわね」
婚后が扇子を広げて舞うように突風をぶつけて屋上の圏外から追い出した。
「!?油断したっすね〜。よっと」
トビがベクトル変換をして空中歩行をしようと空気を圧縮させるが思いの外集まらずにフラフラとしている。

「??」
「そのまま落ちてくださいますと助かりますわ」
泡浮が能力を解放してフェンスの一角を持ち上げると上手く操作出来ないトビに向かって構えた。
「あらまー」
「わたくし達は貴方達の言葉になんか惑わされないですし、最後まで諦めるつもりなんて毛頭ないですわよ!」

強能力(レベル3)
『流体反発(フロートダイヤル)』
使用者とその周囲の浮力を増減させる能力

泡浮は浮力を上げてフェンスに掛かる重力を相殺し、軽々持ち上げると不安定に飛行しているトビ目掛けて投げ落とした。
「やっば!?有刺鉄線付きだから痛っすよね......でも」
トビにフェンスが当たる寸前に障壁が出現して跳ね返した。
「反射〜」
「!!」
跳ね返されたフェンスは初期入射角を忠実に守るように戻り始めて、泡浮の身体に襲いかかろうとしていく。
「あ、泡浮さん!」

すると、銀色の流動している金属が人の形となり泡浮の前に来ると鋭利な腕で
真っ二つにしてそれぞれ軌道を変えて屋上から払い落とした。
「ん!?」
「いきなり何するのよ?」
凛とした女性の声が響き出して、3人は思わず背後を見やると。
黒髪ツインテールの黒ナース服の少女が怠そうに立っていた。

「......おやおや仲間の警策だね」
「こんな計画だったなんて聞いてないんだけど」
警策が液体金属人形を崩しながら首を傾けて半眼で睨みを効かせる。
「よっと。まあ、オイラ達にとっては調和予定......予定調和?そんな感じっす」
空中を蹴り上がりながらトビが屋上に舞い戻ってきた。
細い手足に反発するかのように周囲の空気が圧迫されてパァンと乾いた破裂音がして過敏となった湾内達の身体が強張る。

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