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強欲探偵インヴェスの事件簿
舞い込んだ依頼
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骨隆々としたハリーと比べるとその線は細いが、いわゆるモヤシではなく鍛え上げられた肉体の細マッチョという奴であろう。その顔立ちは女と見間違えそうになるほど整っているが、声の低さや仕草から男だと判断できる。

 金髪に海のような蒼い瞳。それなりに長いのだろう垂れてきた前髪を掻き上げる仕草は、思わずドキッとしそうになる。というよりも、その優男は室内とはいえパンツ1枚で対応に出てきていた。その身体は僅かに汗ばんで上気しており、先程まで激しい運動をしていたのだろう事を窺わせる。

 その不機嫌そうな寝惚け眼がしっかりとハリーの顔を捉えると、みるみる内に表情が曇ってドアをそっ閉じしようとした。……が、ハリーが右足を挟んでこれをブロック。インヴェスはお構い無しにドアを閉めようとするのでドアがギシギシと軋む。しかしハリーの足はモンスター討伐に使われるような頑強な鎧に包まれている。ドアのプレス等効くハズもない。今ここに、部屋に入れたくない主人公と、無理にでも押し入りたい常識人枠のキャラとの、何とも不毛なドア越しの攻防のゴングが鳴った。
 
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