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北欧の鍛治術師 〜竜人の血〜
プロローグ 始まりの咆哮
始まりの咆哮U
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外に住まわせるわけにもいかないのでは?」
「実は、王宮の地下を中心に広大な空間があって、竜たちにはそこに住んでもらっているのです」
ユスティナはもう驚かないことにした。自分の勤務先の足元に竜たちが住んでいるなど想像するだけで恐ろしいが彼らは知性ある竜。刺激しなければ大丈夫なはずだ。
「アルディギアは法律で鉄道事業に規制をかけ、地下鉄などの坑道事業を禁止しているでしょう?あれは竜たちの住んでいる空間に振動や騒音などを伝えないようにする為なのです。それと、王宮では彼らの血を絶やさないシステムとして18になった者は竜の巣に行って相性の良い竜を探すことになっています。もし見つからなければ、その者は人間と結ばれて子を成します。そのようにしてあの一族は技術と血を絶やさぬにようしてきました。しかし、此度の事故で死んだ彼女は15、伴侶探しはまだ行われておらず、両親は既に亡くなっています。実質的にあの家系の最後の者でした。大臣たちがあんなに騒いでいたのはそう行った事情のせいなのです」
「それで姫様は移植を受けた少年を連れて帰ろうとお考えになったのですか?」
「ええ、輸血も受けたという話ですからもしかしたら臓器や血にある固有蓄積時間(パーソナルヒストリー)を受け継いでいるのではないかと考えての事です。そして、その彼なら鍛治術師(ブラックスミス)を継いでくれるのではないか、と」
「それで、少年を移送されるのですか?もしそうであればすぐに手配しますが」
「そうですね、ではお願いします。もちろん、彼女の遺体も」
「了解しました。しばらくお待ちください」
一時間後、飛空艇は2人を引き取るとドイツを飛び立った。
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