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星河の覇皇
第六十三部第四章 閣議決定その四

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「政策として動いてもらうことになる」
「そうですね」
「もっともそれで逃げる者が減るかというとな」
「犯罪を犯して捕まりたくなければ」
 八条は昔から人類社会に存在している法則の一つを語った。
「潜伏するか」
「逃亡するしかない」
「潜伏も出来ますが」
「より確実に捕まらない為にはな」
「逃亡です」
 それが一番だというのだ。
「ですから」
「連合から出ようとする者はまだ出て来るな」
「はい、マウリアなりサハラに」
 そうした国々、というのだ。
「逃げていくでしょう」
「必然的にそうなるな」
「そう思います、犯罪者の国外逃亡の問題は残ります」
 どうしても、というのだ。八条はこのことをシビアに考え見据えていた。そのうえでキロモトに対して語るのだ。
「これからも」
「しかし長大な国境の警備が厳しくなるとな」
「その問題もかなり解決します」
「城塞都市の城塞は何の為のものか」
 かつて街を囲んでいたそれは、というと。
「街を守り人を確保する為だった」
「城内の民を危機には兵にし犯罪者を逃がさない」
「その為だったからな」
「連合は軍は充分です」
「そして次はだな」
「犯罪者を逃がさないことです」
「国境はこの場合城壁だ」
 国を囲むそれだというのだ。
「確かでないとな」
「これまで長い間曖昧でしたが」
 その警備がだ。
「各国では限界があります」
「国境を守ることも大事だ」
「しかしその国境は」
「他国との国境もある」
「連合では国境を巡っての武力衝突はないですが」
 この辺りは中央政府で策定している、また領土を拡げたい国や資源をより欲しい国は中央政府に申請すれば新星系の開発開拓を認められる。国境問題が起こっても敗れた国も代わりに新天地を貰えるのでそうした問題が起こらないのだ。武力の話が出るまではだ。
「しかしです」
「犯罪者は他国からも来る」
「海賊やテロリストも」
「その対応があるからな」
「ですから」
 それで、というのだ。
「辺境の警備だけも出来ないですから」
「限度があったな」
「そうでした、これまでは」
「しかも不況になるとパトロールも減らされる」
「必然的に辺境の治安が不安定化していました」
 その海賊やテロリストの跳梁跋扈がだ。
「それを何とかする為に」
「君が考えたのだったな」
「各国軍で警備しきれないなら中央軍です」
 彼等、でというのだ。
「守るべきです」
「そう思うからこそだな」
「はい、ですから」
 それで、というのだ。
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