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ORPHNOCH-灰虚の迷い子-
ORPHNOCH-灰虚の迷い子-
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前書き [1] 最後
それは自らの死の運命から反逆するかのように人外の力を得て甦った異形…『彼ら』は自分達の種を繁栄させるべく、新たな支配者として世界に立つべく人間を次々と消していく。そういった荒唐無稽な存在がいると世間では都市伝説として囁かれていた。

これは人知れず、望まずしてそうなってしまった者達の記録…小さな星で生きる新しき者達の話である。


豹牙(ひょうが)市・獅頭(しとう)通り、駅前のコンビニにて。

「ありがとうございましたー。」

「はぁ…あとはこれだけか…。」

店員の業務的挨拶と共に菓子パン数個入ったビニール袋を片手にコンビニから出てきたボブカットの黒髪に青い鱗の形をした金属片をまばらに散らしたように飾り、幼い顔立ちに反してブレザーの制服の上からもわかるほどの大振りな胸を持つ一人の高校生くらいの年齢の少女…古綱海尋(ふるつな・ミヒロ)は自分の手持ちの財布に残っている小銭数枚を見て深く溜め息をついていた…。

(ああ〜…こんなんじゃ一日ももたないよ〜…どうせなら家からおこづかい全部持ってから出ていけばよかったな〜…。)

彼女は事もあろうに現在、家出中の身である…キッカケは至極、つまらない親子喧嘩だった。

海尋の父親は市内でも高レベルかつ入学が困難なことで知られる有名大学の教授であり、厳格でエリート意識が過剰なまでに強く…そして最も問題なのは娘である海尋に対してなんら理解が無かったことにある。

海尋がいくらテストで高得点を取ろうがことあるごとに『この程度の点しか取れないのか』『私の子供なのになぜこんなに出来が悪いんだ』などという親としても教育者としても最低な暴言しか吐かない、こんな言葉を日頃から言われ続ければどんな心の広い人間でも怒りが爆発してしまうが彼女はなんとか平静を装い、ギリギリ堪え忍んできた…だが、それもとうとう限界を迎えてしまった。

家での鬱憤を晴らすべく学校で始めた水泳部での活動までをも成績に響くような『不必要な要素』と見なされ、それを父親に言い咎められ、海尋は感情任せにキレてそのまま家から飛び出ていってしまったのだった。

「はぁー…これからどうしよう…。」

クリームパンをかじりながら海尋はやはり勢いだけの家出を弱冠後悔しつつ、あてもなく街をさまよう…。



この時の彼女は思いもしなかった…これからの自分の運命が大きく変わることになるなどと…。



「…え?」

「「「ぎゃああああ!!?」」」

「「「たすけ…たすけてく…れぇえっ…!!」」」

「「「あが、あぁぁあ…!!」」」

突如、目にも止まらぬ早さで弾丸のようなものが周囲の人々に次々と命中してはなんと信じられないことに…衣服だけ残して人間の肉体が『灰』と化して崩れ落ち、消滅した。海尋はあまりの突然
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