暁 〜小説投稿サイト〜
艦隊これくしょん〜舞う旋風の如く〜
出会う風と乗り越える壁
出会う風と乗り越える壁F
[1/3]

[8]前話 [1] 最後
「さーてと」

部屋割りの件は、舞風を白雪と同室にすることで一応の解決とした。残る問題は

「舞風自身・・・・・・かぁ」

先ほどの演習、終始試合を有利に進めていたのは舞風であったと言える。初風の攻撃をことごとく回避し、不意打ちでダメージを与えることに成功している。それだけに、魚雷が使えないというのは大きな痛手になってしまう

「それにしても」

不意に声を出したのは書類の整理をしていた五十鈴、先ほどの演習を見ていた艦娘の一人だ

「なんで魚雷が撃てないのかしらね?見た感じじゃ習ってないから撃てないって様子じゃなかったけど」

舞風は魚雷を撃とうとした際に、明らかにそれまでの様子とは異なる状態であった。それはおそらく、誰の目から見ても明らかだっただろう

「あー、そのことなんだが」
「あら、何か心当たりでもあるわけ?」
「まぁそんなとこかな?ところで・・・・・・五十鈴は自分の適合率って理解してる?」

書類を片づけていた手を止め、五十鈴が呆れたような眼差しを提督に送る。声に出さずとも、今更そんなことを聞くのかと言いたそうにしているのは明白であった

「どうしたのよ急に」
「ふと気になってさ、ちゃんと理解してるのか」
「・・・・・・それは撃ってくれってことでいいかしら?」

どこから持ってきたのか、手に持った連装砲を笑顔で提督に向ける五十鈴、笑顔ではあるが明らかに目が笑っていない

「いや待てって!ちょっと興味本位で聞きたかっただけなんだってば!」

とりあえず構えた連装砲を下ろすよう五十鈴を説得し、五十鈴もため息交じりに連装砲を下ろす

「まったく・・・・・・で、適合率が聞きたいんでしょ?私は82%よ」
「ほー、結構高いな」
「まぁね、で、それがどうしたってのよ?」

これを見てほしいと言って、提督は引き出しから大きめの茶封筒を取り出し五十鈴に投げて渡す

「何これ?」
「舞風のメディカルチェックの結果」

見てみ?と促され、中の書類に目を通し、思わず五十鈴は立ち上がってしまった

「な・・・・・・」
「それ、すげーだろ?」
「何よこれ・・・・・・適合率98%!?」

実は、艤装との適合率8割以上という五十鈴の数値はかなり高い部類である。この数値が高ければ高いほど体と艤装の親和性が向上し、より違和感なく艤装を操れるようになるのである。そのため、この数値が7割未満であった場合にはどれだけ他の試験で優秀な成績を残していようとも艦娘としては不合格となってしまう。しかし、実際にもっと厄介なのは、実はこの数値が高すぎる場合である。

「適合率が高いと艤装との親和性が向上して動きがよくなるってのは知ってると思うけどさ、実は9割以上だと逆に適合し過ぎちゃうんだよな」
「適合
[8]前話 [1] 最後


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ