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ドリトル先生と悩める画家
第八幕その六

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「冬はこんなものじゃないよ」
「うん、日本の寒さ以上にね」
 先生も言います。
「欧州の寒さは凄いね」
「イギリスもそうで」
「とにかく厳しい冬だね」
「あまりにも厳しくてね」
「辛いよね」
「そうだよ。それに何か」
 こうも言った先生でした。
「日本の冬には独特の風情があるね」
「そうそう、日本の昔の民家とね」
「傘とか蓑にね」
「あと薪とか」
「火鉢とかもね」
「どれも昔のものだけれど」
 それでもというのです。
「昔話とかだと独特の風情があるね」
「妙に絵になるね」
「東北とかでその名残が残ってるけれど」
「日本の冬独自のね」
「いい風情があるわね」
「あの風情がね」
 本当にと言う先生でした。
「僕は好きだよ」
「僕達もだよ」
「あの景色好きだよ」
「三角の屋根の木造の家がね」
「藁の屋根で」
「あれがいいね。それに雪も」 
 先生はこちらのお話もしました。
「日本の雪は本州はぼた雪で」
「水分が多くて大きい」
「そうした雪だよね」
「北海道は粉雪が多くて」
「本州とかの雪はそうだね」
「あの雪もいいね」
 先生は調べていくものをご自身のノートに書いていきつつお話をしています、お話をする間も学問をしています。
「日本の冬は」
「そうだね」
「やっぱり日本の冬はいいね」
「独自の風情があって」
「とてもね」
「好きだよ、日本の冬は」
 先生はそうなったのです、来日してから。
「春も秋も好きだけれどね」
「夏もだよね」
「先生暑いのはどっちかっていうと苦手だけれど」
「日本の夏も好きだよね」
「そうだよね」
「うん、あの夏もね」 
 本当にというのです。
「いいね」
「蛍に花火にね」
「朝顔もあって」
「イギリスの夏より厳しいけれど」
「あの時もまたいいよね」
「湿気も多くて確かに厳しいよ」
 先生は太めの体型のせいか夏は四季の中で一番苦手です、ですがそれでも決して嫌いではないのです。日本の夏も。
 そして日本の夏についてです、さらにお話するのでした。
「けれどね」
「それでもだよね」
「向日葵も鮮やかでね」
「あの強い日差しも絵になって」
「いいよね」
「お素麺やかき氷、西瓜を食べるのもね」
 先生はこちらのお話もしました。
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