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恋姫伝説 MARK OF THE FLOWERS
298部分:第二十五話 公孫賛、同行を願い出るのことその二
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第二十五話 公孫賛、同行を願い出るのことその二

「ほら、今ここで喋ってるだろうが」
「安心しろ。わかって言っている」
 この辺りがまさに趙雲だった。
「それでだ」
「葛籠よね」
 神楽がその葛籠を見て話す。
「あの葛籠の中から聞こえてくるわ」
「中を開けましょう」
 孔明が話す。
「多分その中には」
「その中には?」
「いますから」
 孔明はくすりと笑って劉備に話した。
「絶対に」
「絶対に?」
「はい、まずは開けましょう」
 そして開けるとだった。やはりいた。馬超が彼女を見て大声をあげた。
「なっ、蒲公英!?」
「ふえ?」
 その声を聞いてだ。馬岱はふと右目を開けた。
「朝?」
「朝じゃない、何で御前がここにいるんだ!」
「道理で見送りの時いなかった筈です」
 孔明は少し笑って話した。
「あの時に」
「そうか。葛籠の中に隠れていたからだな」
 関羽も納得した。
「私達に同行する為にか」
「呆れたのだ」
 張飛は実際に呆れた顔になっている。
「けれど何か鈴々も同じことをしそうなのだ」
「はい、そうですよね」
 孔明はここでも笑って張飛の言葉に頷いた。
「鈴々ちゃんもそうしますね」
「置いてけぼりは嫌いなのだ」
 実に張飛らしい言葉だった。
「絶対について行くのだ」
「それでなんですけれど」
 孔明は話の本題に入った。
「問題はですね」
「すぐに帰れ!」
 馬超は従妹に対して言い返した。
「桃家荘にだ。すぐに帰れ!」
「嫌よ!」
 馬岱は葛籠から飛び出て言い返す。
「蒲公英もついて行くから。いいわよね!」
「駄目だ!」
 馬超もまた言う。
「すぐにだ。帰れ!」
「ここまで来て帰れないわよ!」
「じゃあどうするんだ!」
「はい、ここはですね」
 また話す孔明だった。周りは呆れたり困惑したりしているがそれでもだ。彼女だけは温和な顔でにこにことしたままだった。
「決める人がいます」
「そうだな」
 関羽にはそれが誰かすぐにわかった。
「ここはだ」
「はい、劉備さん」
 またにこりと笑ってだった。今度は劉備に顔を向ける孔明だった。
「ここはどうされますか」
「私なの?」
「劉備さんが私達の主ですから」
 だからだというのだ。孔明は劉備を見続けている。
「決断は劉備さんがです」
「そうなの。それじゃあ」
「どうされますか?それで」
「いいんじゃないかしら」
 これが劉備の言葉だった。
「確かに黙ってついて来たことは仕方ないけれど」
「はい、それはですね」
「それでも。どうしてもっていうし。ここまで来たら」
「蒲公英ちゃんも一緒にですね」
「それでいいと思うわ」
 劉備はまた話した。
「やっぱり旅は多い方がいいし」

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