暁 〜小説投稿サイト〜
大淀パソコンスクール
ムカつくけど、安心する
夜〜明け方
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だけは妙にスッキリしていてベタベタしない。どうやら川内が汗を拭いてくれていたようだ。それだったら全身も拭いてくれよと思ったが、逆に拭かれてたらそれはそれでマズいな。

「お前……よくこの他人の汗くさい布団で寝てられるな」
「スー……スー……」

 川内の寝息が聞こえる。思いっきり熟睡しているようだ。

 フラフラと右手を川内の頭に持って行き、そのまま頭を撫でた。昨日はさんざん撫でられたんだ。たまにはお前も撫でられろ。この俺の汗臭い左手でな。

「ありがとな。川内」
「スー……スー……」
「勉強、最後まで付き合えなくてゴメンな。次の授業の時は、ちゃんと付き合ってやるから」
「……」

 自分の体調の変化に気付く。昨日はあれだけ気持ち悪くて寒くて辛かったのに、今日はそうでもない。頭のグラグラもなくなり、気分も多少上向きになっている。昨日一晩で、なんとか調子が上向きになったようだ。このムカつく夜戦バカの看病と、あの鍋焼きうどんのおかげかもしれん。

 俺は再び布団に転がり、汗の気持ち悪い感触を我慢しつつ、目を閉じて眠りについた。このアホが、今はゆっくり眠れるように。

「……あ」
「スー……スー……」
「ハラ減った……まぁいいか」

 川内が起きたら、何か食べようか……そう考えただけで、なぜだか少し、心が温まった気がした。

「せん……せ……」
「? ……寝言か」
「夜戦で……はり……倒す……クカー……」
「何いってんだか……」

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