暁 〜小説投稿サイト〜
亡命編 銀河英雄伝説〜新たなる潮流(エーリッヒ・ヴァレンシュタイン伝)
第五十一話 第七次イゼルローン要塞攻防戦(その1)
[3/5]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
である卿を信用しないわけではないが、艦隊は出撃し反乱軍の動きに対応しようと思うが?」
一応こちらに了解を取ろうという気持ちが有るらしい。さすがに不安なのだろう、協力体制を取りたいという事か。

「承知した。こちらは要塞内に陸戦隊を配備する。また反乱軍がミサイル艇で攻撃してこないとも限らんからな」
「うむ、出来る限り反乱軍の動きを牽制するつもりだが、本格的な反撃は遠征軍が戻ってからになるだろう」
問題は無い、変に突撃されるよりもはるかにましだ。

「戻ってくると思うか?」
自然と小声になった。ゼークトは厳しい目で私を見たがそれだけだった。彼も不安に思っているのだろう。

オペレータが躊躇いがちに声をかけてきた。
「閣下、オーディンから連絡が」
「……分かった」

スクリーンにエーレンベルク、シュタインホフ両元帥の姿が映った。敬礼をすると向こうも答礼してきた。
『遠征軍との間に連絡はついたか?』

エーレンベルク元帥の言葉に視線をオペレータに向けるとオペレータは首を横に振った。
「残念ですがまだ連絡がつきません。こちらの送信を受信したかどうかも不明です」

私の言葉に両元帥の顔が歪んだ。私の責任ではないがそれでも身の置き所が無い思いだ。ゼークトも同様なのだろう、面目なさそうな顔をしている。

『こちらからも増援を送る』
シュタインホフ元帥が苦虫を潰したような表情で言葉を出した。
「増援ですか、しかしオーディンからでは」

オーディンからでは此処まで来るのに四十日はかかる。増援が来るまでに要塞攻防戦は終わっているだろう。今回のような急場には役に立たない。ゼークトも同じ思いなのだろう、眉を寄せて何か言いたそうな表情をしている。

『卿の言いたい事は分かる。今現在ミューゼル中将の艦隊がボーデン星系で訓練を行っている、兵力は約三万隻、至急そちらに向かうように指示を出した。約二週間でそちらに着くはずだ』

二週間、遠征軍が八日で戻ればこちらが優勢になった時点でミューゼル中将がイゼルローン要塞に着くことになる。反乱軍は間違いなく撤退するだろう。しかし遠征軍が足止めを食らえばミューゼル中将の艦隊が先に要塞に来る可能性が高くなる。

約三万隻の艦艇……、かなり状況は改善する。駐留艦隊と合流すれば帝国側が有利になるだろう。つまり八日ではない、最低二週間を耐える覚悟をする必要が有るという事だ。不満に思うな、当てにならない八日よりも確実な二週間だ。場合によっては遠征軍は反乱軍に敗れ戻って来ない可能性も有るのだ。

オーディンは最善の手を打ってくれている。我々は不利な状況にあるが孤立してはいない。気を強く持て。ゼークトも何度か頷いている、増援が来る目処がついたことで精神的に楽になったのかもしれない。

「了解しまし
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ