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ソードアート・オンライン 〜槍剣使いの能力共有〜《修正版》
ALO編ーフェアリィ・ダンスー
16.再会
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「それでどうする? あんたも戦うかい?」

 あまりにも緊張感のない少年の声にサラマンダーはわずかに苦笑し、小さく両手をあげる。

「やめとくよ。もうすぐで魔法スキルが九百なんだ。デスペナが惜しい」

「正直者は嫌いじゃないよ」

 さっきの気迫が嘘のように少年は短く笑うとリーファへと視線を向けて、

「そっちのお姉さんはどうする? 彼と戦いたいっていうのなら邪魔はしないけど」

 唐突に乱入してきておいてこの言い草。もはや笑うしかなかった。

「あたしもいいわ。今度はキッチリ勝つわよ」

「君ともタイマンをやるのは遠慮したいな」

 そう言い残し、サラマンダーは空へと飛び去っていった。残されたリーファと黒衣の少年。
 すると少年が興味津々にサラマンダーのリメインライトに近づいて行く。

「ねぇ?この炎って?」

「しっ! リメインライト、まだ連中の意識はそこにあるわ」

 リメインライト。いわば蘇生可能状態。ALOにおいて死んでしまったとしてもすぐにホームタウンに戻されるのではなく一度、リメインライトという炎へと変わる。その状態で蘇生アイテムを近くにいる誰かに使用してもらえれば生き返ることができる。なのでリメインライトの状態では意識はまだそこにある状態だ。
 そこで無闇矢鱈に変なことばかりすると蘇生後に恨みを持たれてPKなどの被害にあうこともある。
 もっとも、あれだけ一瞬でやられれば相手方も懲りてしまうだろうけど。
 炎が徐々に弱まっていき、最後には消滅する。
 ようやくホームタウンへと戻ったようだ。
 そこでリーファは改めて少年の顔を見た。

「で、あたしはどうすればいいのかしら。お礼を言えばいいの? 逃げればいいの? それとも戦う?」

 少年は「いや」と短くいうと、

「戦う気なんてねぇよ。まぁ、なんでもしてくれるっていうなら……膝枕でもやってもらおうかな。お姉さん、綺麗だし」

「ば、バッカじゃないの!!そんなことするならここで斬るわよ!!」

 リーファは顔がカーッと熱くなる。

「冗談冗談、落ち着けって。場を和ませようと冗談を」

 少年は、両手を前に楽しげに笑いながらわずかに後退する。

「まぁ、冗談ならいいけど。それはそうと何で《闇妖精族(インプ)》がこんなところをウロウロしてるのよ」

「み、道に迷って……」

 さっきの笑顔は消え、今度は情けない表情で俯きながら答えに思わずリーファは吹き出してしまった。

「道に迷ったって、方向音痴にも程があるよー。キミ変すぎ!」

 初心者の装備なのに異常なまでの強さ。道に迷ったという理由で現れ、飛び方すらまともにわかっていない。とんでもないプレイヤーに遭遇してしまったと思った。リ
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