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大淀パソコンスクール
先輩は変な奴 担当生徒も変な奴

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の元まで来ると、耳を押さえている俺の顔を覗き込んできた。

「ふーん……あなたが私の夜戦の相手かー……」

 なんだひょっとして……この子もソラール先輩と似たタイプで、しゃべることがいちいち意味不明な子なのか? でも顔そのものは、えらいべっぴんさんだな……

「夜戦の相手じゃなくて、パソコンの先生です。間違えないでくださいね」
「まーいいじゃんいいじゃん。似たようなもんだしさー」

 大淀さんが勘違いを訂正してくれたが……似たようなもん? なんだその『夜戦』て? 素直に字面で想像したら夜の戦い? なんだそりゃ? ま、まぁいい。挨拶をしないと……。

「え、えーと……はじめまして。私があなたの担当をさせていただく〜、か、カシワギといいます」
「カシワギ先生かー。私は川内です! よろしくね先生!!」

 俺の挨拶に対し、この子……川内さんは、白い歯を俺に見せつけるように、ニカッと笑った。その眩しいこと眩しいこと……

「うおっ」
「ん? どうしたの?」
「いや、何でも無いです……」

 なんか瞳孔が閉じるもん……。眩しすぎて、太陽拳を食らったフリーザ様の気持ちがわかりますもんこれ……。

「ところでさ! カシワギ先生!」
「はい?」
「先生もさ! 絶対に夜が好きでしょ!!」
「……は?」

 俺の両肩に自分の両手を置いて、やたらと力強いその両手の平でずっしりとプレッシャーをかけながら、この賑やかで眩しい女の子は、またも意味不明な事を口走る。どうなってんだこのパソコン教室……講師も変な奴なら、生徒も変な奴じゃねーか……。

「夜……ですか……」
「うん!」
「なんでまた唐突に夜?」
「だってさ! 先生も夜が……いや夜戦好きだから、わざわざ夜の担当になったんでしょ?」
「はい?」
「いいよね〜夜戦……私、先生の気持ち、分かるよ?」

 そう言いながら、この川内って子は俺に背を向け腕組みをし、うんうんと頷きながら目を閉じた。いや分かってない。今のこの俺の混乱っぷりを、この子が分かってくれるはずがない。もったいない……顔はすんごいべっぴんさんなのに……。

 ひとしきりうんうんと何かに納得したあと、川内さんは再び俺を振り返り、左手に必要以上の力を込めて、俺の右肩をバッシンバッシン叩き始めた。ちくしょう。すんごい可愛い子の担当になったはずなのに、なんだこの残念な気持ちは。まったくワクワクしない……。

「んじゃまーとりあえずさ! 夜戦はじめよっか!!」
「だから夜戦じゃないですよ川内さん。じゃあカシワギさん、あとはよろしくお願いしますね」
「はい……ゲフッ」
「よろしくね! せんせー!!」

 俺の右肩から肺に届く衝撃があまりに強すぎて、ついむせてしまった……。

 大淀さんに促
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